イギリスの高級陶磁器ブランド エインズレイ (AYNSLEY)コバルトブルーのカップ&ソーサーで過ごす夜
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エインズレイと言えば、金を上品にあしらったデザインが印象的なイギリスの高級陶磁器メーカーです。
100均でもカップがいつでも買える時代に、コレクションとして大切にできる1品を持っていることは
自慢できることだと言っていいでしょう。
エインズレイはヴィクトリア女王の即位60周年祝典(1837年~1897年)を祝うための陶磁器を制作したり、
1931年にはメアリー女王からの注文を受けたことで、皇室御用達にもなりました。
また1947年にはエリザベス王女とフィリップ王子の婚礼に英国窯元連盟が
ディナーセットを献上するなどその伝統と歴史は華々しいものです。
ティータイムに今の自分のためのカップを選ぶ時、そのメーカーの歴史などを少しでも知っていると
また優雅な気持ちが高まり選ぶ楽しみも増えます。
当時の職人の技が光るカップ&ソーサーは取り出す時からティータイムを待ち遠しくさせてくれます。
こんなに素敵なカップ&ソーサーをコレクションにできるのは本当に贅沢なことです。
紳士的な雰囲気をかもしだすエインズレイのカップ&ソーサー
今回、ご紹介するティーカップは深いコバルトブルーの色合いがとても凛々しい印象を与えてくれ、
カップとソーサーにまで繊細に施された金のデザインがとても上品なセットです。
スラリとした全体の印象がまるでイギリス紳士のようです。
セットのスプーンはもちろんシルバー製です。
カップ&ソーサーと同じコバルトブルーで色づけられていて、
すくう部分は波紋のようなデザインが浮かび上がっていて深い海のようです。
対して柄の部分もコバルトブルーがスラリと細くのびていてとてもスリムな印象です。
細い柄は繊細でとても軽いです。
手に取ると少しひんやりと感じるスプーンの柄は、すぐに手の体温で温まります。
シルバー製品の特徴でもある手触りがとても心地よく、コーヒーを淹れる時間が待ち遠しく感じられます。
ちなみにこちらのスプーンはカップ&ソーサーのセット商品でスターリングシルバー(純銀)で作られています。
そして裏返してみるとカップの底には 1775年と記されています。
イギリスで創立されたエインズレイ社のファインボーンチャイナであることも記されていて、
老舗高級ブランドであることが証明されています。
手のひらの中にすっぽりと収まるちょうどよい大きさのカップは手にとてもよくなじみます。
陶器の厚さも分厚くなく、薄すぎずほどよい厚さです。これなら温かい飲み物を淹れるとその熱がよく伝わります。
カップと同じくソーサーにも施されている金のデザインは、植物をデザイン化した繊細なデザインです。
先端まで美しく描かれたモチーフは曲線がとてもなめらかです。
金箔は富の象徴でもあり、高級感は疲れた1日を優雅に癒してくれそうです。
テーブルに出すまでの間に 何度も手の中に置いて感触を確かめてみたくなるカップは愛着がわきます。
本を片手にエインズレイの食器で優雅なコーヒータイム
コバルトブルーのカップに今夜はアメリカンコーヒーを淹れてみました。
スッキリとした味わいのアメリカンコーヒーが、清涼感のあるカップの中でゆれてテーブルを引き締めてくれます。
図書館で借りてきた読みかけの本を準備してから、温かいコーヒーを淹れる夜の時間は
いつもより時間がゆっくりと流れているように感じます。
コポコポとコーヒーメーカーから聞こえる音が静かな夜にリズムを刻んでいきます。
部屋には少しずつ淹れたてのコーヒーの香りが広がっていきます。
焙煎が浅いアメリカンコーヒーは、苦味は少ないけれど酸味が強く、カフェインが強いコーヒーです。
今日は朝から楽しみにしていた本を読み終えるために、夜のこの時間を心待ちにしていました。
カップにあわせてコーヒーを用意する贅沢
淹れたてのコーヒーを渋みが出る前にカップに注ぎます。
でもその前に今日はきちんとカップをお湯で温めておくことを忘れません。
こうすれば、カップに注いた時にコーヒーの温度が下がることがなく風味を損ないません。
せっかく用意したエインズレイのカップにふさわしいコーヒーにするために、
いつもはマグカップにドボドボと注いでしまうコーヒーを今夜はカップにあわせた淹れ方にしてみました。
いつもならないがしろにしてしまうことをたった一手間かけるだけでこんなにもコーヒータイムが待ち遠しく、
贅沢な気分を味わえる時間に変えられるとは本当に驚きです。
これもエインズレイのような伝統と格式の高いカップ&ソーサー、そしてシルバーのスプーンの
おかげとしか言いようがありません。
手軽なマグカップもいいけれど、この贅沢は確実にやみつきになりそうです。
カップの上品さが温かいアメリカンコーヒーの透き通った色をますます美味しそうにみせてくれています。
エインズレイに癒されるひと時
用意しておいた読みかけの本とエインズレイのカップに注いだアメリカンコーヒーをテーブルの上に
セッティングしたらいよいよ楽しみにしていた癒しのひと時です。
今夜はお砂糖もミルクも入れずにブラックでアメリカンコーヒーを飲みます。
シルバーのスプーンでコーヒーを軽く一回しすると、ゆっくりとコーヒーが渦を作りました。
コーヒーの香りが渦に押し出されるように部屋に広がり鼻をくすぐります。
まずは、一口。
普段よりもスッキリとした味わいに感じるアメリカンコーヒーの渋みが喉を通って体に染み渡るのがわかります。
朝の出がけに一気に流し込むようにして飲んだコーヒーとは全然味わいも香りも違います。
また一口飲むと、もっと香りは鼻の奥まで届き、飲んだコーヒーもお腹をポカポカと温めてくれました。
思い立ってお気に入りのクラシックをボリュームを低めにしてかけてみました。
いつも観ているテレビも今夜は雑音にすら感じてしまいそうです。早々にテレビを消して大正解でした。
ますます贅沢さが高まる時間に本を読むのをうっかり忘れてしまいそうになりました。
持ち上げたカップは、とても温かく手の平にその温度が伝わります。
手に感じる金彩の手触りがダイレクトに感じられました。
これは当時のエインズレイの職人たちが手がけたデザインです。
直に触れた装飾部の凹凸をカップを持ち上げて眺めると
繊細な金彩のラインにうっとりとしました。
目についたソーサーにも同じように金彩が施されています。
持ち上げたエインズレイのカップを手にしたままソーサーのデザインにもしばしみとれてしまいました。
コーヒーを飲みながらカップやソーサーを眺めることは今まではありませんでした。
自然とそうしてしまったことに驚きです。
今夜のコーヒーはブラックなのにまたシルバーのスプーンでコーヒーを一回ししてカップを覗き込んでまた一口、
そうして結局、本を読む前にコーヒーを飲みきってしまいました。
生活は器で変わる
1客のカップ&ソーサー、そしてたった1本のスプーンで今までの生活がガラリと変わります。
たった1時間程度のコーヒータイムを持つために、いつもより早く片付けを終わらせたり、
コーヒーの淹れ方にこだわってみたりする時間は、ささやかなようですが生活にゆとりと潤いを必ずもたらせてくれます。
入れ物なんてなんでもいいやとは、もう思えません。
一人の時間を贅沢にしてくれたエインズレイがもっと好きになりました。
カップの底に残ったコーヒーの雫が陶器の白さを写して、
コーヒータイムの終わりを名残惜しくさせてくれます。
今度はコーヒーメーカーではなく、自分でコーヒーをドリップして優雅な時間をもっと充実させてみたいと思いました。
これでまた、次のコーヒータイムへの期待が高まりました。
器を大切にする、器に愛着を持つというのはこういうことを言うのだと実感した夜でした。