日本の高級陶磁器 ノリタケ絵柄の見分け方

日本陶器会社(後の株式会社ノリタケ)の高級食器や装飾品として知られるノリタケが、
アメリカで初めて販売されたのは1900年代でした。
ノリタケの歴史は森村兄弟が陶磁器会社を立ち上げた1904年に始まり、
その工場は名古屋の則武に、事務所は東京とニューヨークに建てられました。
森村兄弟が作った食器や陶磁器のほとんどには、
その裏に”Noritake”、または”Nippon”の裏印が入れられていました。
ノリタケの裏印
1980年、当時はマッキンレー関税法の影響で、アメリカに輸入される製品には、
生産国の刻印を英語表記で入れるよう義務付けられていました。
ここで、森村兄弟の食器や陶磁器が初めてアメリカに輸入された時の、
面白いエピソードがあります。
その裏印には、花輪模様の中にある森村のMのイニシャルの上に、
“Hand Painted”と書かれていて、その下には”Nippon”という文字が入っていました。
“Nippon”は、文字通り日本を意味しますが、
日本語を知らないアメリカ人にはわかりませんでした。
そこでアメリカ政府からの要請が入り、1921年以降の裏印には”Japan”と記されるようになりました。
また、初めてノリタケという裏印が入れられた食器は、1908年にイギリスに輸入されました。
そして、それ以降に作られた食器のほとんどにノリタケの裏印が入れられるようになり、
食器によっては絵柄の識別のための数字も割り当てられていました。
ノリタケの裏印を見てみよう
もしノリタケの陶磁器が手元にあるなら、
逆さにして裏印を見てみると面白いかもしれません。
比較的新しめの食器には、ノリタケの裏印と共に、
エッチングが施された絵柄が入っています。
もしその食器に4桁の数字が入っているならば、
その数字はノリタケの会社によって意図的に入れられたものです。
また、古いノリタケの食器の底には、絵柄も裏印も残っていないかもしれません。
しかし、1904年以降の絵柄は全て株式会社ノリタケのデータベースに記録として残っています。
ノリタケの裏印を調べてみる
会社のデータベースの他にも、
多くのコレクターや骨董屋がノリタケの絵柄の記録を取り続けているので、
それをオンラインで見ることができます。
また、オンラインでなくても、コレクターや骨董屋、または図書館に訪れることで、
ノリタケ辞典から絵柄の名前を調べることができます。
さらに、ノリタケのコレクターズガイドというウェブサイトもあり、
そこにアクセスすれば、古い食器であってもその絵柄の名前を知ることができます。
例えば、4352 という数字で調べれば、
シンプルな絵柄がついた白いお皿やカップな食器が出てくるはずです。
ノリタケの絵柄を登録する
ノリタケ食器を持っている人は、ノリタケのウェブサイトでアカウントを作り、
その食器の絵柄を登録することができます。
絵柄を登録することで、ノリタケの新しい情報を手に入れられるようになったり、
古いノリタケの陶磁器の修理や交換ができるようになったりします。
ノリタケの100年以上の歴史の中でたくさんの絵柄が生まれたので、
特に古いノリタケの絵柄の名前は突き止めるまでに時間がかかります。
しかし、中にはオンラインや骨董屋で高く売れてしまうものもあるので、
是非試してみてはいかがでしょうか。
