バカラ社の歴史やグラスの魅力をたっぷりとご紹介!
目次
動画でバカラグラスの歴史をご覧になる方はこちらから↓
バカラは、誰もが知るフランスでも代表的なクリスタルガラス・メーカーです。
18世紀半ばより、ずっとその美しさを最高級のレベルに保ち続けているんです。
バカラのクリスタルガラスは、「王者のクリスタル」と言われています。
その所以は、こだわった高品質、技術力が比べ物のないくらい高いこと、細部までこだわりつつ麗しさを保ったデザインからも明らかなんです。
そのクリスタルの種類たるや、20000を超えるとも言われているんです。
その種類数の多さを聞くと脱帽ですよね!!
これらのバカラの魅力を生み出した歴史やバカラの職人、作品についてご紹介していきますね。
バカラの歴史
1764年バカラ工場設立
ロレーヌ地方バカラ村の州のトップだったモンモランシーラヴェルが、7年戦争で疲弊した自分の州で、どうにか産業を盛上げて行きたいということで、当時非常に人気のあった、クリスタルガラス工場の建設をルイ15世に提案し工場が完成します。
実際に工場が稼働し出したのは、2年後の1766年でした。
そして、同じ頃に別のグラスメーカーが誕生します。
1779年サンルイグラス創業
今ではエルメスグループに入ってますが、クリスタルの女王と呼ばれるサンルイという、クリスタルグラスブランドがあります。
このブランドは日本ではほとんど、認知されておりませんがバカラの歴史を知る上では非常に重要なブランドなのです。
1789年フランス革命によりバカラ社倒産
1789年のフランス革命によって、バカラ社も大きな影響を受けることになります。
それまで生産できていたものが、革命によって生産どころではなくなったのです。
そのことによって、バカラ社は倒産してしまいます。
1798年フランス産業展示会
当時世界の覇権を握っていた、隣の国のイギリスにどうしても追いつきたいフランスは、自国だけで産業がどれだけ発展しているかを発表し合う『フランス産業展示会』と言うのを度々行っていました。
そんな時に、存在感を発揮したのが先ほど紹介した『サンルイグラス』だったのです。
このサンルイグラスが作ったガラスは、イギリスのガラス製作技術と同等か、それ以上に値するだろうと言う評価を受けたのです。
この時に出品された花瓶を作ってたのが、サンルイのディレクター兼技術者の『エメ・ガブエリル・ダルディーグ』という人物でした。
1816年バカラ工場を買い取る
元々自分で独立し、好きなようにやりたかったガブリエルはサンルイに在籍しつつも、その頃余っていた工場であるバカラの工場を買い取ることになります。
ガブリエルの評価は、当時の王様ルイ18世から見てもお墨付きであり、産業展示会での活躍を見ていたルイ18世は本来であれば国(国王)の所有物である工場を、技術力のあるガブリエルであれば、ということで特別に買い取らせたのです。
ここで倒産していたバカラは、ガブリエルが経営することで再建します。
しかし、ガブリエルはサンルイにも在籍していたので、サンルイとバカラの合弁会社として1857年まで続きます。
このことが、古いバカラの作品を見たときに、サンルイと酷似している理由なのです。
一般的に、バカラがガラスを製作し出したのが1816年だと言われていますが、このような歴史があったんですね。
有名なモデルで1825年から作られるようになった「アルクール」です。
次の写真は、当時の王様であったルイ18世のために作られたものと言われているんです。
その形は気品を漂わせ、安定感があるもので、現代にいたるまで世界中で愛されています。
1860年商標登録
サンルイとの合弁が解消した後に、バカラは自社のオリジナルロゴを商標登録します。
これが私たちがよく見ている、あの丸いマークなのです。
1855年・1867年・1878年 パリ万博で金賞受賞
1855年から約10年おきに開催されたパリ万博で、バカラは金賞を受賞するまでになっていました。
当時の国としても、職人からしても大きな物を作ることが信条としてあったためバカラは、高さ5メートル、直径3メートルの燭台や高さ5メートル、直径5メートルのシャンデリアなどを万博に出品していたのです。
ガラス細工において、大きな作品を作ることは非常に技術力が必要です。
他社ではそれらの大型作品を制作することができず、バカラ社が常にグランプリに輝いていたのです。
そして、またこの頃にフランス王室御用達として最高級クリスタルブランドとしての称号を得ることになったのです。
世界中の王族にも愛用されているバカラ★
バカラは聖杯に使われるほどなので、もちろん王族にも、かなり愛用されてきたんですよ~★
ロシアの皇帝はシャンデリアやロウソク立てに取り入れました。
次の写真はロウソク立てです。一つ一つの形、線がなんとも艶やかです!!
ロシアで愛飲されているウォッカは、実は一気したあとにウォッカを飲んだグラスを割る習慣があるそうです・・・!
そこで皇帝はそのグラスとして、なんとバカラを購入したという逸話があります。びっくりですよね~!
そうすると、グラスは、いわば、使い捨てのようになりますから、ロシアからは受注の数が多かったことがわかりますよね!
その他の国は、モロッコ、インド、エジプトなど、国の宮殿などにバカラを置いたとしたら、
バカラの美しさが空間の中で引き立つような国々の王族に愛用されているんですよ~
そして、もちろんわが日本の皇族にも愛用されています★
ワイングラス、食器一式が、菊の御紋のエッジングで加工され、納入されているのです
ガラスの素材について
バカラの素材は、それを手にした人が一生使い続けてもその輝きを失いません。
長年楽しみ続けることができるから、家庭で代々受け継がれることもあるんです
では、そんなすばらしいバカラの素材はどんなものでしょうか~?
バカラのクリスタルガラスの素材は、その名の通りの「クリスタル」ですが、水晶」
で出来ているわけではないんです
クリスタルのように輝いているから、そのように呼ばれているんですね~(^^♪
そして、バカラの職人によって、より磨きがかけられ、人々の目を魅了する美しさが生み出されました
原料は、酸化鉛、酸化金、カリウム、ソーダ灰などで作られています。
この原料の中でも、酸化鉛がキーポイントとなっていて、
これがバカラ美しさのもととなっているんですよ~
輝き、透明度、ガラスをかんかんと鳴らした時の透き通った音のもとが、酸化鉛なんです★
その比重たるや30パーセント!
惜しげもなく素材を取り入れる点、ここにもバカラのこだわりが感じられますね~
バカラの理念の誕生
バカラで高品質の素材を使って、その輝きを放ち続けてきました。
これはずっと続かないと、バカラの知名度なども下降してしまいますよね
そこで、バカラの5代目当主は、バカラのクリスタルの最上級の品質を保つために、
最高の素材、技術を提供し、これを理念として、代々、引き継いでいくことを定めたのです
もちろん、これは現代のバカラでも生き続けているんです
この理念のもと、作られた作品は厳しい品質チェックを受け、市場に出るのは、
完成品の60-70パーセントと言われているんです。
それほど、バカラは完璧度にもこだわっているんですよ~!
フランスの国家最優秀職人賞(MOF)
「王者のクリスタル」として君臨するバカラは、フランスの国家最優秀職人賞を持つ職人の
超越した技法によって、その美しさを保ってきたんです。
この国家最優秀職人賞は、日本の芸術家が与えられる
人間国宝と同じようなものであるというと分かりやすいですよね☆
これまでも50名以上の最優秀職人を輩出し、
この最優秀職人は現在も20数名いると言われています
これらの最優秀職人の域に達するまでには、20-30年ほどかかると言われていますが、これも人間国宝と同じですね
今でいう神業を身に着けている人たちが、最優秀職人なんです(^▽^)/★
バカラのいくつかのシリーズをご紹介します♪
1)アルクール・シリーズ
まぎれもないバカラの代表作です。
アルクール公爵のために作られたのが始まりなんですよ~
デザインの彫刻が深く、形もしっかりとしていて力強い印象を受けるのがポイント
また、赤くバカラレッドが着色されているアルクールも人気が根強いんです
2)マッセナ・シリーズ
1980年から出てきたマッセナ・シリーズは、有名なフランス人元帥の名前をつけているんです。
このシリーズは、下部の切り込みが細かく、多く入れられていることが特徴
下部に集中するような光と切り込み線の素晴らしさに目を奪われますよね~
3)パルメ・シリーズ
エッチングの手法を用いて作られ、形はシンプル、優美な雰囲気を兼ね備えるのが特徴です
ここにワインなどの色がついた飲み物を注ぐと、繊細な模様が浮き出てくる、そんな仕掛けがとてもかわいらしいんです
今日でも品数はそれほど多いとは言えませんが、世界中で愛されている形なんですよ~★
4)ローハン・シリーズ
フランスの町の名前を付けられたシリーズです。
こちらもエッチングの手法が用いられ、つる草の模様が連続してデザインされています。
1855年のパリ万博でも、バカラのローハンは名誉大賞を与えられ、その誇り高い実績となったんですよ~★
5)カプリ・シリーズ
カプリの名前は、イタリアのカプリ島に由来しています
インド・パローダ王国の王妃のためとして作られたからか、
女性のような、丸みを帯びた柔和な印象を与えるグラスですよね~
チューリップのような形にも見えて、花の華やかな形も見受けられます
6)セヴィーヌ・シリーズ
セヴィーヌは、1899年から作られました。
フランスのセヴィーヌ公爵夫人の名前に由来します
細かくエッチングの手法でつけられたデザインは、グラス全体を引き立たせます。
グラス全体で、このデザイン以外に装飾がなく、シンプルな印象を与えるのも特徴なんです★
女性に人気が高いので品薄で、希少価値が高い一品
7)オノロジー・シリーズ
シンプルなデザインですが、オノロジー・シリーズの次の写真シャンパングラスは、
グラスボウルと脚部の境目のくぼみがあることで、シャンパンの泡がきれいに発砲するんです
デザインはシンプルに、楽しみは存分に、が醍醐味であるグラスです
オノロジー・シリーズには、ほかにもワイングラス、ビアタンブラーがありますよ~
シンプルなデザインですが、中に入れる飲み物のも引き立たせる、
そんな形をしていて、安定した需要を保っているんです~★
8)パーフェクション・シリーズ
パーフェクションは、その名のとおり、完璧っていう意味を込めているんです。
このシリーズは、ほかのグラスに比べて、ボウルが大きく、
ボウルの底が丸みを帯びている、そして脚が細いのが特徴です~
次の写真はワイングラス、特に赤ワインに使用されるものですけれど、
ほかにも、ワイン用デキャンタ、ブランデー用グラスなどもあります。
9)アルファ・シリーズ
非常にシンプルなデザインなので、世界中に愛されているんです。
それはグラスを使う場面を選ばないし、飲み物もオールマイティだからです。
人の好みにも左右されない、バカラのクリスタル素材のよいところを
全面に表しているので、贈り物としても、受け取った相手の方に大変喜ばれている一品なんですよ~
10)エキノックス・シリーズ
エキノックスは、フランス語で、春分の日、秋分の日のことです
昼と夜の時間が同じ、そして、太陽が赤道上を通る日のことですが、
これを、地球の緯度、経度とイメージして、縦横の線で表していると言われています。
そして、水玉のように見える「〇」は、春分の日、秋分の日の太陽を表しているんです。
幾何学模様にも見えるこのデザインは、バカラの中でも珍しく、
シュッとしたスマートな印象を与えて、このシリーズも希少価値が高いものとなっているんですよ~
11)スピン・シリーズ
グラスの底から何かが斜めに巻き上がっていくような斬新なデザインのスピン・シリーズ。
竜巻をイメージして、スピンという名がつけられた言われています
竜巻のような流動的なものではなく、底から上へ描かれた線の先端は
鋭くなっていて、何か上っていくものの意志の強さのようなものを感じるデザインになっているんです。
そのようにどこかストーリー性が感じられるスピン・シリーズは、
クラシカルというよりもモダンな印象を与えるグラスになっているですよ~★
12)ビバ・シリーズ
ゆるやかな逆ハの字、チューリップ型のものが多く、手にフィットするグラスが多いのが特徴なんです
普段使いとしても、お客さまへの冷たい飲み物用にも使えます
そして、お酒が好きな方には、日本酒、焼酎やウイスキーロックグラスとしても使えますよ~。
バカラで晩酌なんて、おしゃれで、優雅ですよね~!!
13)ベルーガ・シリーズ
ベルーガの意味は、ご存じである方も多いですよね?!
ベルーガは、最高級のキャビアの名前ですよね~!
これをバカラにも表現されています
底に近いところ、丸いラウンドカットのデザインが、キャビアをイメージしてるそうなんです!!
おしゃれですけど、一方で、とっても可愛らしいですよね~
ジュースを飲んだり、梅酒、カクテルなど、女子ウケしそうな飲み物を注いで飲んでしまいたい、そんな作品です
14)ジュピター・ワイングラスシリーズ
フランスと言えば、ワイン!
バカラでも、ワイングラスは多く作り出されていますが、ここでもシャンパングラスのご紹介です
グラスのボウルから脚部までの、大胆に深い切り込みが全体の存在感に
アクセントを加えている、というイメージが深い作りになっているんですよ~
15)ベガ・ワイングラスシリーズ
数多くあるワイングラスの中でもかわいいデザインをご紹介しますね~★
こと座の「ベガ」からネーミングされたグラスで、
星が連なっているような脚部イメージとなっているんです
三つ編みや、おだんごにも似ていますよね。
かわいいものをいろいろ連想されるグラスですので、見ているだけでもワクワクしますよ~
光があたると、この脚部もいろいろな色を通し、発光しているかのように見えるんです(^^♪
ほかにもドンペリニヨン用のグラス、赤ワイン専用グラスなど、
ワイン用のグラス種類は多岐にわたっているんですよ~!
さすがフランス発祥の作品ですよね(^▽^)/
まとめ
バカラは歴史にはぐくまれ、高品質を保ちつつ、変化を起こしていく、新しいものを作り出していく、これを続けてきた結果、今なお世界中の人々に愛され、その輝きを世界中に放っているんです。
そんな代物はほかに探しても、そう多くはありませんよね~!
ここでご紹介したシリーズだけでも、いろんなシリーズ名があり、それぞれ、人に由来するもの、デザインのこだわりを反映させたもの、用途に応じて、その時代時代で作られたもの、作られた背景が様々なんです
ほんとにほれ込むくらいのバカラの作品に出会えたら、それは一生ものの美しさに出会ったということです。