ドイツ製のマイセン(MEISSEN)を買うなら偽物には気をつけろ!!
目次
こんにちは(*^^*)
アンティークテーブルウェア店長の妹尾です✨
本日このようなご質問を頂きました。
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初めまして
(名前)と申します。
この前オークションでマイセンのティーカップを購入したのですが
偽物でした。
いろいろ鑑定してくれる所を探したのですが、見つからずマイセンジャパンも自分の所が売っている商品以外は鑑定しない、と言われもう勉強代として仕方ないと諦めることにしました。
今いろいろなマイセンを扱っているショップに、問い合わせている所なのですが御社ではそういった鑑定をされていらっしゃいますか?
また、鑑定している機関をご存知の場合はご教授頂きたいです。
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このようなメールを頂いたのですが、偽物を掴まされて残念に思いますし、そのようなことをする方がいらっしゃると思うと悲しくなります⤵️
ただしオークションの場なので、その方はマイセンのことは、全くの無知でマイセンだと言われてそのまま出品していたのであるならば、まだ仕方ないのかなぁって思います⤵️
ご質問頂いた回答になりますが、私の所でも鑑定はやっておりません。
鑑定するには長い時間がかかりますし、作った人にしか分からないからです。
かといって偽物を売っているのかと言うと、そうではなく作品の状態からサイン、デザインを全て見た上で本物を保証して販売しています。
動画で偽物を確認する方はこちらから↓
マイセンの歴史と歴代のマークを知っておく
マイセンのマークは、その生みの親であるザクセン選帝侯にしてポーランド王、フリードリヒ・アウグスト2世強王の紋章「青い双剣」です。
ベトガーの後継者として工場の管理を行っていた、ベドガーの妹婿でもあるシュタインブリュックによって、贋作防止の為、1722年に提案されました。
シュヴェルターと呼ばれる専門の絵付師によって手描きされる窯印は、時代によって変化してきていますので、おおよその年代の判別が可能です。
当初は剣が真っ直ぐで、鍔がやや曲がり、柄頭が描かれていましたが、やがて剣は湾曲し、鍔は真っ直ぐとなり、塚頭は消えました。
剣の交差する位置や角度もその時々で微妙に異なり、星型や点、数字、弓形などが描き加えられたものも現れました。
マイセンの窯印が保証する品質の一例には、以下のようなものがあります。
「素地、絵の具、釉薬、形、装飾、工場の体制、職工の専門能力、選別、経営管理、品質管理、職工の仕事」
双剣マークが採用される前、マイセン工場では陶磁器に注文者の頭文字をマークとして入れていました。
アウグスト強王のモノグラムであるARのマークはアウグスト強王の所有印(インベントリー・マーク)で、
双剣マーク採用後、強王の死後にもしばしば用いられていますが、近年では製作年を書き加えてオリジナルとの混乱を防いでいます。
K.P.Mのマークは王立磁器工場の略で、1722年に全ての磁器にこのマークを入れる旨公示されたものの、
1725年以降はあまり使用されていません。
当初は双剣は描かれていませんでした。
1720年から30年の頃よく見られたのは、「鞭」と呼ばれるマークです。
メルクリウスの杖の蛇を一匹にしたようなこの形は、中国の窯印を真似たものだそうです。
1780年から1830年頃にも、輸出用に中国磁器の刻印を真似たものが描かれました。
1720年から40年の間の製品に記されたK.H.K.は王宮の菓子どころを、K.H.C.P.はアウグストグスト強王の離宮ピルニッツ城を示します。
他にも職人の妻女の名前など、様々な印が無秩序に使われていました。
1722年から使われ始めたコバルトブルーの双剣マークは1731年に正式な採用が決まり、
1763年までの間は常に描かれるようになりました。
1763年から74年には二本の剣の鍔の間に小さな円が描かれています。
マルコリーニが工場長を勤めていた1774年から1815年頃までの時代(オッペルの初期の時代を含む)、
剣の間には「マルコリーニの星」と呼ばれる星形が描き入れられました。
マルコリーニの星が廃止された1817年から1823年までは剣の下方にローマ数字のⅠやⅡという文字が描かれるようになりました。
1824年から1850年の間には、窯印が滲んでいたり、形が崩れていたりという、いい加減な刻印が見られます。
この後1924年頃まで70年以上に亘り用いられたのが、緩やかな曲線を持ち柄頭の描かれた、通称ボタン剣と呼ばれるマークです。
1924年から1933年のマックス・アドルフ・ファイファーの時代、柄頭は描かれなくなり、
代わって剣先の中間に小さな点が描かれるようになりました。
1933年から1945年は、ファイファー期にあった点が消えます。
第二次世界大戦終結から1947年までの2年間、上方が開いた弓形が双剣の下に描かれました。
世界が平和に交わるようにという願いを込めて、この時期のみ製作された刻印です。
1947年以降、双剣の形は一定となっています。剣の刃はほぼ中央で交差し、鍔は刃と反対方向に弧を描いています。
1972年以降、特別な製品のみ青い双剣に「Meissen」の文字が書き加えられています。
また、1919年以降ベドガー炻器には「Bottgersteinzeug」の文字が捺印されています。
マイセンの窯印に十分な信憑性があるかどうかに関しては、疑問も残ります。
古いマークが安易に復活されたこともあり、また、無印やマークを絵付けされた製品をフランスの商人に販売していたこともあります。
マルコリーニの時代には経営難を解消する為、マークだけを入れた無彩色白磁を大量に販売するといったことも行っており、
双剣の上に横一本の疵が入っているのはそうした商品です。
また、施釉薬後の製品や窯印のみ描かれた製品が、何十年も工場内に保管された後に
上絵付けされ完成されるという場合もあり、時代の特定を困難にしています。
ドレスデンには、上絵付けのみを行う工房が集まり、
マイセンの退職技術者が雇われやすかった為、贋作が大量生産されました。
マイセンの代表作の一つである「ブルーオニオン」は1739年にJ.D.クレッチマーが中国の柘榴文様を
デザインしたシリーズで、そこに描かれた柘榴、竹、桃、芍薬、エゾギクは
それぞれ時間や不老長寿、子孫繁栄等を象徴しています。
西洋では柘榴の馴染みが薄く、玉葱と見誤られた為「ブルーオニオン」と呼ばれるようになったそうです。
大変人気のある図柄で、様々なメーカーが製造しており、現在50種類程も存在すると言われています。
マイセンでは1885年頃から本家本元の証として、竹の根元に「青い双剣」を描き入れるようになりました。
一番の近道はどんなデザインがあるか知っておくこと
マイセンの商品を購入する時にまず見て頂きたいのはサインです。
サインは年代によって様々ですが、双剣のマークに変わりはありません。
この形のほかに、点や❇︎のマークがついたファイファー期やマルコリーニ期のマークもありますが、今回はそのサインの説明は割愛させて頂きます。
マイセンにはこの双剣のマークが必ず入っているので、このマークがない場合は出来れば購入を避けるのがいいです。
◯どんな偽物マークがあるの?
どの工芸品も同じなのですが、偽物はそれっぽく作っているだけで実際にはしょぼいです😊
なので自分がどういったデザインがあるのか知っていれば、偽物を掴むリスクをかなり減らすことが出来ます👍
それではどんな作品があるのか見てみましょう👀
インドの華っぽいけいど
上記の作品なのですがインドの華の立地ピンクにそっくりですよね😊
こんな商品だったら、マイセンの知識がなかったら購入してしまうかもしれませんね(^^;;
しかし、よ〜く見て下さい❗️
このサインは横文字でMEISSENと書かれています。
そうなんです、双剣のマークではなく文字が書いてあるんです❗️
先ほどの言ったように横文字のマークは存在しません。
更によ〜く見て下さい👀
MEISSENとは書いてません(笑)
MEERSENと書いてあるじゃないですか❗️
中々の悪質なマークですよね。
ただしこれも
「横文字のマークは存在しない」
が分かっていれば読むまでもありませんね👍
◯形から判断する
パッと見た感じかなり、インドの華の模様に近いデザインをしています。
中々の技術力ですね❗️
ただし、この形は無いんです。
マグカップにしては小さいですし、そこにソーサーが付属する訳も
ありません。
本物を見てみましょう👀
カップ&ソーサーかトリオかの違いはあるものの、基本的にはこの形がベースになります😊
◯これは本当に騙される
とは言え、さっきのは名前が違うししっかりと読めば分かりますよ
って思うかもしれません。
しかし、次の商品はしっかりと書いてあります
MEISSENと・・・
完全にMEISSENと書かれているのが分かりますね👀
残念ながらこの作品も偽物なんです。
多分これは、マイセンの人気シリーズの5つ花を参考に作られているのですが、5つ花はカップの内側に絵付けはされていません。
もちろん、2〜4つ花もそれと同じです。
裏面を見てみても、このように円が書いてある商品は、マイセンの中にはないんです。
デザイン、サイズも同様にこの形はどこに入るのか分からない、完全にオリジナルの作品なんですね😊
本物を見てみましょう👀
これが本物の形になります。
これは上記にあげたインドの華の本物のトリオの形に似ていますよね😊
形もサイズも同じなんです👍
なのでマイセンが作る形とデザインが分かっていれば、かなりの確率で偽物を掴む確率は減って行きますよ(*^^*)
ここまでの復習なのですが、横文字のマークは無いと言うことをまずは覚えておけば大丈夫です。
◯それっぽいマークがあるんです
「とりあえず、横文字のマークは無視すればいいんですね!」
そうです、横文字のマークなんてありえないので気にしなくて良いんです👍
これはイタチごっこになってしまうのですが、そこをクリアしてもまだ出てきます。
今度のマークは双剣っぽいです。
「マイセンかなぁ?」
と思ってしまう微妙なサインが存在します。
もちろんこちらも偽物なのですが(笑)
ロイヤルウースター、コールポート、オールドノリタケ等
いろいろな釜で人形は作られていますが、その中でも特に人気なのがマイセンの人形ではないでしょうか😊
そんなマイセンの人形にも、もちろん偽物があります。
この商品は多分キャンドルの人形を参考に作ってあるのですが偽物です。
まず、裏のマークを見て頂いて、それっぽいマークを書かれていますがこんなマークはマイセンには存在しません。
そして、人形なのですがマイセンの人形を何体も見ていたら分かるようになるのですが、こういった表情で描かれることはないんですね(笑)
マイセンの造形家は、何年もの勉強と練習を重ねて一人前になります。
そんなマイセンを代表する造形家が作る人形には
・透き通るような肌の白さ
・今にも動き出しそうな躍動感
・人形が表現する意味(五感の寓意)
があります。
なので、なんとなく作ってみましたって作品は1つもないんですね❗️
マイセンの人形は、精巧に作られている物も多くありますので購入する時には、一度カタログを読んでから
ある程度の知識を付けてから購入することをおすすめします😊
これは本物のサインです!
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、うっすらサインが入っています。
赤丸の部分ですね。
マイセンの昔の人形は、窯で焼くときに収縮するために割れが発生しないよう、底面に穴を開けていました。
その穴は下記の画像のように基本的に私たちが目にするのは丸なのですが、初期の頃(手ごねの頃の作品)になると、丸の他に長四角もあります。
長四角の穴を見ることは稀なので、これは偽物なのか!?
と考えてしまいますが、作品を見れば一発で分かります。
長四角の穴のマイセンの人形はこのようになっています。
レースも繊細で、女性の顔は透き通った白で、頬はうっすらとしたピンク。
マイセンの特徴的な技術が結集されているので、一発で分かるのですがポイントとしてはこのレースにあります。
レースは、どんな技法の中でも圧倒的に技術力の必要な技法であり、これは偽物工房で真似できるものではありません。
このような感じで、マイセンには様々なサインがあることは、理解しておくと偽物をつかまされる確率は格段に下がりますよね。
まとめ
今回の判断方法だけである程度は、判別が出来る様になったのではないでしょうか(*^^*)
マイセンの磁気を集め出すと、素敵な作品ばかりでどんどんコレクションしたくなって
きちゃいますので、偽物を掴まない様に自分を鍛えておかないといけないですね👍