アンティークシルバーポット 銀器職人が手作業で製作した最高のポットは紅茶にもおすすめ
目次
- 1 1.Risler & Carre(リスレ・アンド・カレー) シルバーコーヒー/ティーポット
- 2 2.ゴーハム(Gorham)
- 3 3. インターナショナルシルバーカンパニー(International Silver Company)
- 4 4.カーク・シュタイフ(Kirk Stieff)
- 5 5.ラント・シルバースミス(Lunt Silversmiths)
- 6
- 7 6.リード&バートン(Reed & Barton)
- 8 6.オナイダ・リミテッド(Oneida Limited)
- 9 7.トール(Towle)
- 10 8.ウォーレス(Wallace)
- 11 9.ホワイティング(Whiting)
- 12
- 13 10.ヴァーエムエフ(WMF)
- 14 11. Henin&Cie(ヘニン・シエ)
本日もご覧いただきありがとう御座います♫♫
アンティーク食器専門通販取扱店
アンティークシルバーポット店長の加寿美です(*^^*)
本日は今ではなかなか見ることの出来なくなった素晴らしい装飾をされた
シルバーポットの世界の素晴らしい作品をご紹介していきます。
ここではあなたもきッと知らない無名のシルバー(silver)メーカーも
たくさん出てきますので楽しみにしてこの続きを読んでくださいね。
1.Risler & Carre(リスレ・アンド・カレー)
シルバーコーヒー/ティーポット
最後にRisler & Carreのエレガントなコーヒー/ティーポットのご紹介です。
フランスのシルバーメーカーブランドといえばピュイフォルカやオディオがよく知られていますが、
Risler & Carreもとても評価が高いブランドの一つです。
日本国内では見かけること自体もあまりないのではないでしょうか?
希少価値の高い一品です💕
1897-1912年製であることを示すホールマークが刻印されています。
持ち手の部分の付け根に貝を模したシルバーの装飾がなされており
品のある高級感あふれるシルバー(silver)ポットとなっています。
銀の純度は95%です。
純度は1000分率で表されますので、こちらのシルバー(silver)ポットの場合は950/1000となります。
シルバーとても柔らかい金属のため、シルバーのみだと加工や装飾がとても難しいのです💦
そのために違う金属を少しだけ混ぜて、実際の使用に耐えうるものにしているのです✨
92%のものでも純銀と言われることがあるので、気になる方はシルバーの純度に注目してみましょう!👀
シルバーの純度が高いため、なかなかしっかりした重量感はありますが、
職人の手によって丁寧に作られた一品になりますので安定感は抜群です。
下記を見てもらえばわかるように、幅と高さがあまり変わらない印象です。
高さ:約22㎝
幅:約22㎝
重さ:約900g
2.ゴーハム(Gorham)
ゴーハムは、1831年にアメリカのロードアイランド州で設立された、
アメリカ最大級のシルバー・カッパーのブランドです!
アメリカ合衆国とのつながりも強く、ホワイトハウスでは、ゴーハムのカトラリーが使用されていました。
そして、国会議事堂のワシントン像に代表される、歴代の大統領の銅像を製造したりと、
ヨーロッパのブランドが王室御用達であるように、ゴーハムはアメリカ政府御用達ブランドなのです。
このシルバーポットも質実剛健なイメージを醸しだしています。
デミタス(今はエスプレッソっといった方がポピュラーですね)用のシルバー(silver)ポットなので、
高さは約16㎝(重さは366g)と、やや小ぶりのシルバー(silver)ポットですが、存在感は充分!
魚のウロコのような手打ちの技も匠のデザインといえますね。
取っ手のところに二つ付いている象牙のリングがアクセントになっています。
こちらのシルバーポットは1915年のデイトマークがついた、スターリングシルバーです。
容量は小ぶりに見えますが約825mlです。
さすが、20世紀に入ってから作られた作品らしいのは、
持ち手の切り返しがシャープなところや、帽子のような形のふたの取っ手でしょうか。
個人的には、普段使いしやすいこちらのタイプが好きです。(^^)
3. インターナショナルシルバーカンパニー(International Silver Company)
1898年にニュージャージーにできたこの会社は、史上最大規模のシルバーメーカーです。
それもそのはず、現代のアメリカ企業では当たり前になっている、何十もの合併と買収を繰り返して大きくなってきたからです。
今は『ライフタイムブランズ(Lifetime Brands)』の一部門に縮小されましたが、シルバーメーカーを語る上ではずすことのできない会社の一つです。
このインターナショナルシルバーカンパニーを語る時、重要なのがその多様性です!たくさんの企業を抱え込んだため、デ
ザインや製造方法にも様々な手法を取り入れて、一般家庭向けのものから、政府機関であるアメリカ海軍の納入品まで幅広く手がけていました。
そして、カトラリー類の20年間の無償交換保証は、この会社の製品への自信を表すものでしょう。
たとえば、この『Vintage Silvet Mini Teapot Set Creamer Sugar Bowl』などは、4点セットであるにもかかわらず、
値段もリーズナブルで、持ち手と注ぎ口の統一感あるデザインも魅力の一つです。
またミニシルバー(silver)ポットの安定をよくするために四ツ足なのは、アメリカ海軍の船上のレストランで使われたものかもしれませんね。
4.カーク・シュタイフ(Kirk Stieff)
カーク・シュタイフはすでに1979年に幕を閉じた会社ですが、今でもその製品は人気があります。
元は『The Stieff Co.』の経営者だったチャールズ・シュタイフが、同じボルチモアにあった 『Kirk and Son』を傘下にして誕生しました。
お互いライバル企業だったにもかかわらず、シュタイフが『Kirk and Son』の製品に惚れこみ、経営難のカークを救いました。
シュタイフが自分の会社の生産ラインを止めてまで、カークの製品を残して、社名まで『Kirk Stieff』に変えてしまったのです。
ローズのパターンは特に有名で、美しい装飾は当時の富豪や高級ホテルでも愛用されていたそうです。
ここでは、そのローズの装飾が施されたティーシルバー(silver)ポットをご紹介しましょう。ローズだけでなく花々がたくさん散りばめられ、持ち手が角ばっているところも、とてもユニークです。
それから、ミュージアムピースにもなりえるコーヒーシルバー(silver)ポットセット『Kirk Stieff Williamsburg 3 Piece Set』もご覧いただきましょう。
それぞれ下記の大きさです。
Coffee Pot (8″) – 1089 grams
Creamer – 218 grams
Sugar w/ Lid – 222 grams
現在でもたくさんのコレクターがいて、高額で取引されるカークシュタイフですが、
日本ではまだまだ知名度が低いのが現実です。
この機会にぜひ他の製品も検索してみてくださいね。
5.ラント・シルバースミス(Lunt Silversmiths)
ラント・シルバースミスはその名のとおり、細かい現代的なシルバー加工が得意なメーカーで、
20世紀になってからの設立(1902年)で比較的新しい会社でしたが、2009年に経営の幕を下ろしました。
しかし、閉鎖後もなかなか奇特な運命を辿ったメーカーなのです。
2009年に破産によりライバル会社の『リード&バートン(Reed and Barton)』に経営権が移ったのち、
2015年にはその会社もレノックスに買収されました。
施設や工場も様々な企業に分割買収されたので、今残っているメーカーの生産ラインでもあまり見ることはできなくなりました。
(レノックス傘下の一生産ラインを残すのみです)
でも、経営と製品の質は比例するわけではありません!
その理由は、過去にラント・シルバースミスはアメリカ政府公認のメーカーでしたし、
世界各地のアメリカ領事館の調度品としても広く使われていました。
たとえば、このシルバーポット6ピースセットの装飾もシンプルながら
細部にまで非常にこだわった細工がされています。
6.リード&バートン(Reed & Barton)
では、ラントを買収した『リード&バートン』の歴史もおさらいしておきましょう。
なんと、設立は南北戦争が始まる約40年前の1824年に遡ります。
当時は類をみない良質な武器メーカーとして、北軍の勝利に大いに貢献したのです。
近年では1996年のアトランタオリンピックのメダルデザインを担当しました。
ホワイトハウスの調度品の担当もしたことがあり、由緒あるメーカーとして君臨していましたが、
前述したように2015年レノックスの傘下に入りました。
しかし、リード&バートンの名前は強い知名度をもっており、傘下に入ったとはいうものの、
レノックスの半独立部門として今も活躍しています!
写真のシルバーポットの装飾デザインも伝統的で重厚感のあるフォルム。
つまりリード&バートンは、21世紀に入ってからの最先端のトレンドから、
南北戦争以後の古きよきアンティークデザインを手がけた、アメリカ有数のブランドと言えるでしょう!
6.オナイダ・リミテッド(Oneida Limited)
アメリカの食器メーカーを代表する『オナイダ・リミテッド』。ニューヨーク州オナイダ郡にある
世界最大規模の食器メーカーですが、この会社は設立の経緯がとても珍しい会社なのです。
1848年にオナイダ郡に住むジョン・ハンフリー・ノイズによって創設されたキリスト教系の
「コミュニティ(宗教共同体)」だったので、当時300人を超える人員が参加していました。
また、彼らの思想は大勢の人々に影響を与えたといわれています。
銀食器は、そのコミュニティ時代の1881年から生産が始まり、戦時中は丈夫な食器や、
ガス缶、戦闘用のナイフなどを軍隊向けに製造。その功績はアメリカ全土で知られるようになったのです。
高品質のものは値段も高額になりがちですが、オナイダの製品はファミリーレストランや
普段使いの食器として広く一般家庭でも使われていることからもわかるように、
価格も良心的なんです!だからといって、チープなつくりなわけではありませんよ(^ ^)
デザインはヨーロッパの装飾の流れを受けて、しかも、現代の生活に
マッチしている製品が多く市場にも出ています。
7.トール(Towle)
この会社の成立は1850年代ですが、歴史を遡ること1630年代。シルバースミスを生業としていた
トール創業者のモールトン一族がアメリカに上陸したのが1630年代というわけで、
アメリカ最古の、というより、アメリカ国家より古い歴史のあるシルバーブランドなわけですね。
総合企業の『ライフタイムブランズ(Lifetime Brands)』が、2006年に大規模なシルバー関連企業のM&Aをしたことで、
トールも同社の傘下となりましたが、トールとしての人気は今でも根強く、現在でも生産ラインは23も稼働しています。
さすが、アメリカ最古のシルバースミス!こちらの三点セットは、
ホールマーク付きのミュージアムピースです。「ホールマーク」は銀の質を保証する、
アンティーク好きには、鑑定の際の基準になる、正に神の恩恵とも言えるくらいありがたいものなんです。
8.ウォーレス(Wallace)
ロバート・ウォーレスというスコットランド系移民の銀職人によって創業された、
ウォーレスはアメリカで初めて、ニッケルシルバーといわれる「ドイツ銀」を独自に生産してカトラリーを作ったメーカーなんです!
ニッケルシルバーは、私たちにもおなじみの五百円玉の素材ですね。
では、なぜ、ニッケルシルバーなのか?
これはアメリカンドリームを実現させたロバートの努力の物語なんです。
スコットランド系移民の銀職人だった彼は、ニューヨークで初めて出会った新しい素材
(つまりニッケルシルバーですね)の”強度”に感動して、様々な人から製造方法やレシピを集めて研究開発をしました。
そして、この努力がウォーレス社の成功に結びついたというわけです。
そして、息子の代になっても成長を続け、世界最大級のフラットウェアメーカーとしての地位を築きました。
その後、何度か買収されていた同社は、現在『ライフタイムブランズ(Lifetime Brands)』で
前出のトール社と同じ時期に買収されました。しかし、そのブランド力のおかけで、今も名前が残っているというわけです。
ちなみに『ライフタイムブランズ(Lifetime Brands)』は様々なジャンルのブランドを
統合して管理している企業で、多くのアンティークブランドが傘下にあります。
下のコーヒーシルバー(silver)ポットも高さが約30cmで、質感もウォーレスの代名詞と言えるニッケルシルバーを用いた製品。
シルバーより硬いのに、醸し出す色が温かみを感じさせてくれますね。
9.ホワイティング(Whiting)
マサチューセッツ州アトルボロに1866年に建てられたホワイティングは、
工場の火事があったため、拠点がニューヨークに移りましたが、1905年まで続きました。
ゴーハムに1905年に買収されるまで、有名ブランドを相手に奮闘していました。
1926年まではホワイティングの名前で生産されていました。当時ヨーロッパで勃興していた
「ジャポニズム」の影響で、日本風の装飾を施した食器類は目を引きます。
ホワイティングの設立当時は、日本が鎖国を解いて明治時代になったころ。
印象派のゴッホの絵に代表されるようにヨーロッパで日本ブームが起きていたのです。
アメリカの有名ブランドを相手に奮闘していたホワイティングは、
このヨーロッパのジャポニズムブームの流れを食器を通してアメリカに紹介し、
他のライバル会社との差別化を図ったわけですね。どのデザインも、
私たち日本人が逆輸入して使いたくなるアンティークです!
ご覧のデミタスシルバー(silver)ポットも、細かい装飾が日本の浮世絵の装飾を連想させますね。
10.ヴァーエムエフ(WMF)
所変わって、ドイツのテーブルウェアメーカーもご紹介しましょう。
ヴァーエムエフ(WMF)は、1853年にドイツ南部のガイスリンゲンを拠点に創業しました。
合併と買収を繰り返し、約50年後の1900年には世界最大の家庭金属器製造業者、輸出入業者として一躍有名になりました(^^)
このころのドイツの歴史を振り返ればわかるように、ナチスが党をブランド化するために、芸術に力を入れた時代です。
かの有名なデザイン学校バウハウスの本拠地も同じ場所にあったことなどから、
芸術的なデザインが日本の何倍より先に進んでいたわけです。
WMFのナイフは特に有名で、高品質のナイフは各地のレストランや軍隊でも採用されていました。
今では世界に名を轟かせるドイツのデザイナーズテーブルウェアとして、
ヨーロッパ、アメリカはもちろん、おとなり中国でも人気が出始めています。
こちらのシルバー(silver)ポットも、ドイツらしい洗練された無駄のないデザインが伝わってきます。
11. Henin&Cie(ヘニン・シエ)
最後のご紹介はフランスの有名なカトラリーブランドの一つであるHenin&Cieです。
1861年から続く伝統ある工房であるヘニン(Henin)は、パリのアルシーヴ街33番地に店がありました。
当初、Henin&Vivierと名乗っていましたが、Henin&Frer、Henin&Fils、Henin&Cieと何度か名前を変えています。
どの名前の時代においても、趣向を凝らした装飾は目を見張るほど!素晴らしいシルバー食器を作り続けてきました。
Henin&Cieはアールヌーボー時代、パリを代表する工房のひとつだったのです。
写真のシルバー(silver)ポットの注ぎ口には鳥のくちばしが装飾されており、底の部分にはHenin&Cieの
ホールマークであるH&Cの刻印がなされています。観賞用としてはもってこいのシリーズです。