バカラグラスのローハンとシャトーブリアンの違い
目次
本日もご覧いただきありがとう御座います♫♫
アンティークテーブルウェアの妹尾です(*^^*)
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baccaratの数あるシリーズの中にも見分けが付きづらいものが多く存在しています。
Old baccaratに至っては、メーカーにでさえデータすら残っていないものばかりです。
そこで、今回は代表して【ローハンとシャトーブリアン】の違いについて皆さんにお届けしたいと思います(*´艸`*)
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ローハンとシャトーブリアンって?
コチラがローハンシリーズのグラスです。
見事なアラベスク模様のエッチングが素晴らしい作品ですね(*´艸`*)
そしてコチラがシャトーブリアンのグラスです(^_-)-☆
このように、ほとんど同じデザインの2つの商品なのですが、素人目には一見分かりませんよね?
このアラベスク柄を使用しているシリーズにはローハン、シャトーブリアン、グービュー、コンブールなどが存在していますが、特に似ているのがローハンとシャトーブリアンです。
この2シリーズの違いをご紹介致します(*´艸`*)
ローハンとシャトーブリアンの違い その1
一見して違いが分かりづらいこの2シリーズの違いですが、意外と知らない方も多くて、シャトーブリアンをローハンとして販売してしまっているお店もあるくらいなんですね。
では実際に現物を並べて見てみましょう。
2つのグラスを並べているのですが、左側がローハン、左側がシャトーブリアンになります。
ローハンとグビューは、縁が垂直に立っていますが、シャトーブリアンだけチューリップ状に反ってますよね。
縁の部分の拡大を見てみましょう。
これが、ローハンとシャトーブリアンの大きな違いになります。
これ知ってると、ちょっとbaccarat通としてハナタカになっても大丈夫ですよ👍
バカラグラス ローハンとシャトーブリアンの違い その2
こちらの2つの画像は、当時のバカラ社から出されたカタログです。
グラスの形を理解することができれば、このデカンタの形も理解することができます。
シャトーブリアンのデカンタは、グラスをそのまま上に引き伸ばしたようなデザインであり、ローハンのデカンタはグラスをひっくり返したようなフォルムのデザインになっております。
ちなみに水差しは共通のデザインのようですね。
バカラグラス ローハンとシャトーブリアンのデザイナー
ローハンとシャトーブリアン。
グビューもコンブールもそうですが、この連続する唐草文様は1930年代のアールデコ時代にデザインされたものです。
アールデコの美しさの価値観は、連続する模様を用いた幾何学的な図案ですので、この唐草模様が連続してるのは時代のニーズにマッチしていたのですね。
ちなみに、この図案の元を辿るとイスラム美術に繋がりアラベスク文様になりますので、アラベスク文様と言われることがほとんどです。
そして、デザイナーはジョルジュ・シュバリエというデザイナーです。
歴代のバカラのデザイナーの中でも、たくさんの素晴らしいデザインを残してきた人物です。
ローハンもシャトーブリアンも同じ地域から
フランスには、ブルターニュという地方があります。
そこにはロアンという街もありますし、昔は貴族であるロアン一族がいました。
その一族の名前ロアン(ローアン)という名前をとって、ローハンというモデルが完成したのです。
※ ロアン一族の紋章
シャトーブリアンも、同じブリターニュ地方にシャトーブリアンという町があり、シャトーブリアンというお城もあり、シャトーブリアン一族がいました。
シャトーブリアン一族も有名な貴族であったため、そこから名前を取り入れバカラの中にシャトーブリアンというモデルが誕生したのです。
ちなみに、ローハンは1931年にデザインされシャトーブリアンは1933年にデザインされました。
ローハンの生産数はかなり多かったので、現在でも比較的簡単に見つけることができますが、シャトーブリアンは生産数が少なかったため、現在ではあまり見かけることができません。
現在のローハンと昔のローハンの違い
その2の最後にちょっとだけ匂わせた2シリーズの違いですが、コレはbaccarat通レベルとしてはかなりハイレベルな違いです!!
それは、年代が古いほどエッチングの溝の深さが深いという違いです。
新しくなるほどエッチングの溝が浅くなっているんですね。
これについては、どちらのほうが良いのかと聞かれると物凄く悩みます。
深くまでエッチングの溝がある方が、よりハッキリエッチング柄が際立ちますが、溝の線が太くなるしその部分の厚みは薄くなるわけで、温度差に弱いクリスタルガラスの強度を考えると浅い溝の方が良いこともあります。
ですが、エッチングをハッキリ表現しているのは古い方な訳ですし、深くまでエッチングの溝を入れられる方が、技術的には凄いからです。