アンティークシルバーカトラリーの選び方、使い方に迷ったらここを見て!

本日もご覧いただきありがとう御座います。
お持ちのシルバーカトラリーは、どのようにして手に入れたものですか。
譲り受けたもの、結婚祝いの品、あるいは、必要に迫られて購入したものでしょうか。
シルバーカトラリーは、前の世代から次の世代に引き継ぐのが伝統になっています。
単純に、捨てるにはもったいないアイテムだからです。
もし、引き継ぐ側がそのカトラリーセットを気に入ったなら、家族の絆はさらに深まるでしょう。
ところが残念なことに、親や祖父母の持っていたセットを、気に入らないながらも黙って受け継ぐ、という人も中にはいるのです。
こうして受け継がれた銀食器は、食器棚やクローゼットの中にしまいこまれ、使われず、愛されもせず、忘れられてしまいます。
結婚予定の女性、特に盛大な結婚式を行うような花嫁は、結婚祝いとしてシルバーカトラリー、食器、グラスをシリーズでリクエストすることがよくあります。
花嫁の多くは若く、美的センスやインテリアの腕は未熟です。
以前なら店員さんなど銀食器に詳しい人が花嫁のシリーズ選びを手助けしたものです。
が、今日では、ほとんど助けを借りることなく花嫁自身が決めてしまいます。
花嫁がいいものを選ぶことができ、長年にわたって幸せに使うことができればいいのですが、現実的には、年を取るにつれセンスも成熟するものですし、過去にいいと思ったものも後に魅力が色あせてしまったりするものです。
現代では、たいていの人が、家庭をもつときに初めにカトラリーを揃えます。
予算はきびしく、時間にも余裕はありません。
そんなわけで、1,2件お店をまわっただけでさっさと決めてしまいます。
そして、みなさんおっしゃるのです。
将来、収入と時間にゆとりができ、じっくり選べるようになったら、そのときもっといいシルバーカトラリーセットを購入します、と。
ですが、そんな将来はなかなかやってこないものです。
結局、多くの人が、気に入っているいないにかかわらず、すでに持っているものを使い続けます。
2つの問いかけをしますね。
(1)お持ちのシルバーカトラリーのシリーズ名を言ってみてください。
(2)そのカトラリーを最後に使ったのはいつですか。
もし、シリーズ名を言えなかったり、最後に使ってから何か月も経っていたりするようなら、ぜひ買い替えを検討しましょう。
スターリング、銀メッキ、ステンレスのカトラリーのお店を、いろいろまわってみてください。
思いのほか手頃で選択肢も幅広く、きっと驚くことと思います。
お手持ちのシルバーカトラリーを手放し、現在の自分の好みやインテリアに合うシリーズに取り換えましょう。
人は自分のお気に入りのものに囲まれていたいものです。
カトラリーは毎日のように使うものですから、使うたびにいい気分にしてくれるカトラリーを持っているべきなのです。
【スターリング(純銀)、銀メッキ、ステンレス】
人々がカトラリーセットを数種類持っていることを、最近のメーカーはよくわかっています。
スターリングまたは銀メッキのセットが客用で、銀メッキかステンレスのセットが日常使いというようにです。
メーカーの中には、3種類ともラインナップをもっているところもあります。
1900年から1950年代終わりまでは、今ほど平和な時代ではなく、ほとんどの家庭には1種類のカトラリーセットがあるだけでした。
その中で、スターリングと銀メッキがいい勝負をしていました。
スターリングのカトラリーメーカーは、銀メッキよりスターリングのほうが優れていると積極的に宣伝していました。
スターリングのメーカーは、自分たちの製品は美しさ、耐久性、職人の技巧を兼ねそろえていることをさかんに主張しました。
永久に使い続けることができる、つまり、何世代にもわたって使うことができる品質のよさを重要視していました。
銀は、「永遠の金属」とよく言われていたのです。
スターリングを、上質で食卓に権威と品位を添えるものとして大いに宣伝することで、スターリングを所有している人は立派な社会的地位にあるとみなされました。
最近の広告・パンフレットでは、そのような宣伝は一切なされていませんが。
時折、銀は貴重な金属、純金属である、といわれるぐらいです。
トール社のある広告を見ても、それがよくわかります。
「スターリングなら間違いなし。スターリングのもつ、深み、色、年を経てそなわった趣は、なにものもまねすることができません。
温度変化にもすばやく順応。表面がはがれて料理の味に影響を与えたり、料理に色がついたりすることもありません。
スターリングは、あたたかさと感覚的なやわらかさをもちあわせており、優雅さという点で、金やプラチナよりも高品質な食器にぴったりです。」
近年では、スターリングのカトラリーの価格は、シリーズによっては同じような銀メッキやステンレスの3~5倍程度になっています。
シルバーカトラリーが使用される時の長さを考えれば、120ドルから200ドルと、40ドルの差はあまり気にならないでしょう。
それに比べ、20世紀初めには、その割合は8:1、10:1といったところでした。
14ドルと1.25ドルの差は、当時の人々にとって非常に大きいものでした。
【シルバーカトラリーを選ぶ】
カトラリーメーカーは、まずシルバーカトラリーを選んでから、それに合う食器やグラスを揃えるようおすすめしていますが、現実的には、多くの人がまず食器やグラスを選んでからカトラリーを選びます。
たいていのカトラリーシリーズは、様々なデザインの食器に合わせることができるからです。
今の世代の私たちは、助言を求めるのは賢さではなく失敗の結果だと考えがちです。
ですが、シルバーカトラリーを選ぶ上では、まったくの逆です。
インテリアデザイナーや店員、親や親せき、友人にアドバイスを求めましょう。
シルバーカトラリーを選ぶ際は、絶対に急いではいけません。じっくりと慎重に選びましょう👀
シルバーカトラリーは、使う人の個性を反映します。
あなたは、カトラリーが喜びをもたらすべき、もっとも重要な人物です。
あるシリーズを見て好きになってしまったら、それがあなたにぴったりのシリーズということです。
カトラリーを選ぶプロセスで、心は重要な役割を果たします。
おそらく、食器やグラスを選ぶ時よりもずっと。
シルバーカトラリーを選ぶときに考慮したいのは、使い道、デザイン、技巧、入手のしやすさ、そして価格の5つの基準です。
シルバーカトラリーは基本、普段使いのために作られているのですが、日常使いにはどうしてもスターリングよりも銀メッキやステンレスのものが選ばれがちです。
ぜひ、長持ちするもの、いろんな場面に合うものを選んでください。
そうすれば、陶器からプラスチックまで、様々な食器とあわせて使うことができます。
シンプルなシリーズだとなおよいでしょう。
多くの家庭では、スターリングのカトラリーを持っていても、休日用やお客さま用として大事にしまっています。
メーカー側は毎日使うようすすめていますが、現実的にはそうもいきません。
ですから、スターリングのカトラリーセットを選ぶときは、お手持ちの客用食器や客用グラスに合うシリーズを選びましょう。
そのためには、手持ちの食器のデザインと同じか、あるいは似ているシリーズを探すとよいでしょう 🙂
例えばレノックスなど、多くのメーカーでは、食卓で使うあらゆる種類の食器類を扱っています。
カトラリー、皿、グラスのシリーズを併せてコーディネイトできるようにデザイン、製造しています。
そういった選択肢から考えていくのがおすすめです。気に入った組み合わせがない場合には、ほかをあたりましょう 。
デザインには3つの要素があります。
パターン, 調和、バランスです。
モダンなデザインの最新のシリーズを求める人も中にはいますが、多くは、価値が長続きするもの、時代が変わっても趣のあるものを好みます。
美の基準は人によって異なります。
しかし、普遍的に美しいと思われる、調和のとれた形があるのも事実です。
銀食器メーカーはいずれも、そのようなデザインを目指しています。
シリーズのデザインは、カトラリーの体に着せた服だと思ってください。
すばらしいデザインであっても、形のみすぼらしさを補うことはできません。
カトラリーの輪郭、形をよく見てください。
デザインと同じように、喜びを与えてくれるような形を選ばなくてはいけません。
実際に手に取ってみてください。
あなたの選んだセットは、手にフィットし、感触、バランスの良さを感じさせてくれますか。
非常に心地よく感じるはずです。
ナイフとフォークを持ち、切るときの感じを試してみてください。
自分の手の延長として自然に動いてくれましたか。
個人が使うフォークやナイフの一式のほか、サービング用のカトラリーも試してみてください。
バランスは非常に大事なポイントです。
また、サービング用カトラリーのデザインや形もよく吟味してください。
カトラリーセットを総合的に見て選んでください。
もし、各人用のカトラリーは気に入っても、サービング用がいまいちだった場合、そのセットはあきらめ、ほかを探しましょう。
ブランド名はシルバーカトラリーを買ううえで大きな要素となります。
市場には安物の模造品があふれています。
それは避けましょう。
あなたのカトラリーは名のあるメーカーから買いましょう。
あなたの選んだシリーズが有名なメーカーの現行モデルであれば、品質が保証されるだけでなく、将来的にも製造が続く可能性が高いです。
どのメーカーでも、自分たちの製品を保証しています。
きちんとしたブランドの製品を買えば、アフターサービスもしっかりついているものです。
たとえ手持ちのセットが製造中止になっていても、ブランド力のあるメーカーから買うことには意味があります。
こういったメーカーでは、自分たちの製品を積極的に宣伝、販売しており、豊富な経験があるので、あなたのイメージしていたものが手に入る確率も高くなります。
サービング用カトラリーも、大きなメーカーならバラエティー豊かな選択肢の中から選ぶことができます 。
とはいえ、大きなメーカーであってもあまり成功しなかったシリーズも存在します。
最終決定する前に、シリーズが今後も手に入りやすいものなのかどうか、特に、製造中止のものを中古で買うような場合には、よく調べましょう。
人々の好みは時代によって変化します。
やがて消えるシリーズもあれば、加わるシリーズもあることでしょう。
ですが、その数はほんの少しのはずです。
圧倒的多数のシルバーカトラリーが時の試練にすでに耐えてきたものです。
メーカーは最近では、セット商品であること、そのシリーズを今後何十年と製造し続けるという約束を強調したりはしませんが、会社のパンフレットや広告には時折書かれています。
セット品は値段がはっきりしているので、価格比較するうえで便利です。
もしほしいシリーズが中古市場などで定価よりも安く売っていたら、その状況はぜひ利用しましょう。
けれども、中古市場で売りに出されるのを待つよりも、セット品を定価で買える能力があることをずっと好ましいと考える人のほうが多いのです。
多くの家庭では、皿やグラスは、カトラリーに比べ、ずっと気軽に買い替えるものです。
このことからも、シルバーカトラリー選びにおいては、たとえ少々予算オーバーだったとしても、自分たちに買える最高のものを買うことが、とても理にかなっているといえるのです。
多くの人は、スターターセット(初めての人向けのセット)で4、6、8人分のカトラリー一式と、基本的なサービングカトラリーいくつか、そしてそれらを保管するための箱がセットになったものをまず購入します。
メーカー側もそれをわかっているので、ブライダルセットとも呼ばれるスターターセットを手頃な価格で販売しています。
たとえば、インターナショナルシルバーカンパニーが1965年に発売した
44ピースブライダルセットは、
ティースプーン16本、テーブルフォーク8本、
テーブルナイフ8本、サラダフォーク8本、
シュガースプーン1本、バターナイフ1本、
テーブルスプーン1本、サービングスプーン1本、
ボックスがセットになっています。
さらにグレービーレードル、サービングスプーン、
サービングフォーク、サラダサービングスプーンがセットになったデラックスセットも、やはりお手頃価格で発売されていました。
あえてカトラリーセットを少しずつ買い足していくことにするのも、予算的に考えても素晴らしい方法です。
記念日や誕生日、クリスマスなどを考えれば、8~12人用のフルセットがそろうのに、ほんの数年で足りそうです。
1950年代以前は、購入したスターリングまたは銀メッキのカトラリーにイニシャルを彫ったものでした。
1960年代、1970年代、1980年代と、このしきたりは変わっていきました。
ステンレスカトラリーが優勢となり、カジュアルな食卓が一般的になり、さらに、離婚するカップルが増えてきたためです。
古いシリーズはたいてい、イニシャル、あるいは3文字で作ったモノグラムをいれるスペースを考えてデザインされていました。
実際、イニシャルやモノグラムはカトラリーに趣を添えました。
1940年代以前のカトラリーセットを譲り受けたなら、おそらくイニシャルやモノグラムが彫られていることでしょう。
それがスターリングシルバーのセットなら、古いイニシャルやモノグラムを消すのをためらう必要はありません。
1990年代にフォーマルで伝統的なもてなしが再びもてはやされ、人々はまたカトラリーにイニシャルやモノグラムをいれるようになりました。
古いイニシャルやモノグラムをきれいに消してくれるサービスも多数存在します。
イニシャルやモノグラムを彫ってくれる業者は地域にも存在するでしょう。
メジャーなメーカーでも、最近の製品にイニシャルを彫るサービスを提供しているところもあります。
【シルバーカトラリーのセッティング】
シルバーカトラリーは、いつでもあなたとともにあります。
シルバーカトラリーは、特別フォーマルなパーティーにももちろん合いますが、カジュアルな普段の食卓にも適しています。
まずは、セッティングのしかたをおぼえましょう。
4ピースセッティングでは、
ティースプーン、テーブルナイフ、
テーブルフォーク、サラダフォークを使います。
シリアルやスープ、デザートがある場合には、
テーブルスプーンを加え、5ピースセッティングとします。
バターナイフを加えると、6ピースセッティングとなり、この伝統的なセッティングで、フォーマルな食卓となります。
お手持ちのカトラリーを使って正しいテーブルセッティングをするには、次の簡単なルールを守りましょう。
場合によっては決まりをやぶっても大丈夫。
現代の形式ばらない優雅さと、1930年代のぎちぎちに決められたマナーはまったくの別物なのですから。
- フォークはすべて左側に。例外はオイスターフォーク、またはカクテルフォークのみ。
- スプーンとナイフは右側に。
- それぞれ、使用する順番に、外側から順に並べる。
- ディナー皿の左右それぞれに、4ピース以上並べないこと。例外はオイスターフォークで、皿の右側、スープスプーンの右側、いちばん外側に置くこと。
- ナイフは、刃側を皿に向けて置く。
- フォークは、歯が上向きになるように置く。
- スプーンは、くぼみが上向きになるように置く。
- バタースプレダーは、ディナー皿の斜め左に置いたパン皿の上に横置きにする。
- カトラリーはそれぞれ等距離を保って並べる。また、テーブルの手前の端から3㎝ほどのラインに並べる。
- グラスが1つの場合は、テーブルの右側、ナイフの刃先に置く。2つ以上の場合は、斜め、あるいは三角形になるように並べる。
- 個々人用の塩こしょうは、ディナー皿の向こう側、真ん中にセットする。
- ナプキンは、たたんだ場合も立体的な形に折った場合も、皿の上に置く。お客さまが席につくまえに最初のコースを並べるときは、ナプキンは左側のカトラリーの左に置く。決してカトラリーをナプキンの上に置かないように。
- コーヒー、紅茶を出すときは、ティースプーンはソーサーの上に置く。
- デザート用のカトラリーは、デザートと一緒に出す。
- ビュッフェ形式のときも、カトラリーは並べておく。決して、カトラリーケースに入れて出したりしないように。
【買い替えもひとつの選択肢】
カトラリーセットの買い替えをためらわないでください。
好みが変わったり、皿やグラスを新調したりしたときには、カトラリーも替えどきなのです。
新しいセットを購入しましょう。
費用はどうするか。
よく考えてみましょう。
3~5年ごとに新車を買ったり、10年おきに新しいテレビを買ったりするのに、どのくらいのお金をつかっていますか。
新しいカトラリーセットの値段よりよっぽど多くの額をつかっていますよね。
さらに、5年乗った車を売りに出したときに受けとる額が購入金額の何割になるのか考えてみてください。
あなたが新品で買ったシルバーカトラリーの価値の下がり方は、車より断然小さいはずです。
今あなたが持っているシルバーカトラリーセットには価値があります。
でも、どれくらいでしょうか。
中古品を扱うお店などに問い合わせ、相場を見積もってもらいましょう。
ですが、価値とは金額がすべてではありません。
シルバーカトラリーは何世代にもわたって使われることを想定して作られているのですから、使わなくなったセットを子ども世代にスターターセットとして譲ることも考えましょう。
誰もほしがらなければ、売ることを考えればよいでしょう。
とにかく、シルバーカトラリーは、大事に奥にしまっておくべきものではありません❕
食器棚や引き出しにしまいっぱなしにしておいたところで、何もいいことはありません。
シルバーカトラリーの美しさは、皿やグラス以上に、使えば使うほど増すのです。
そして、あなたの毎日に優雅さをもたらしてくれるでしょう。
【アンティーク食器専門ショップ 博多マイセン】
安心の交換・返品保証サービスを承ります。
