ロレックスのアンティーク・ヴィンテージのデイトナ クロノグラフ腕時計に搭載されたバルジューとは!?
ロレックスのデイトナに搭載されていたバルジュー社のムーブメントとは!?
今となってはロレックスに搭載されているデイトナのムーブメントは自社開発した高性能ムーブメントが
搭載されていますがデイトナが生まれた当時はムーブメントは他社のムーブメントを使っていました。
それはご存知の通りバルジュー社のムーブメントになります。
この初代デイトナの手巻きモデルには一貫してバルジュー社製のムーブメントがベースとして使用されていますが、
初めてデイトナに採用されたのがバルジュー社のCal.72Bでした。
“72B”とは、”バルジュー72シリーズのB製”という意味で、A製が緩急針付きなのに対して、B型はテンプの側面に金属製のナットをねじ込む”アジャストスクリュー方式”で精度の調整をする機構になっています。
ちなみにC型はデイデイト付き(トリプルカレンダー)と言う意味になります。
バルジュー社はエモージュ会社でありムーブメントだけを製造して他社に供給していました。
その信頼性の高さから当時はロレックスのみならず数多くの時計メーカーが採用していました。
30分計、スモールセコンド、12時間計を装備した3つ目タイプの手巻きクロノグラフ・ムーブメントが72です。
特にこの12時間積算計を搭載した3つ目タイプを初めて世に送り出したのがバルジュー社なので
このバルジュー72がいかに素晴らしい名器であり現在でも人気のムーブメントだというのがわかります。
そして、そのB型がデイトナに搭載されたのは、’60年代初期から’70年頃まで生産された第1世代にあたるRef.6239とRef.6241です。
途中で改良されCal.722-1となりますが、ヒゲがテンプに絡むのを防ぐための細長いプレートがついただけといわれておりCal.72Bとスペック上の違いはほとんどありません。
’40年代に登場したバルジュー72は、バルジュー23に12時間計を追加したもので、多くの時計メーカーに採用されました。
Cal.72Aはその改良版です。テンプ受けに装着される緩急針をCal.72Aは採用しています。
Cal.72Bが搭載されたのは、初代モデルにあたるRef.6239と6241です。
途中、同リファレンス内で改良型のCal.722-1に変更されています。
Cal.72Bの後継機、では片づけられない傑作ムーブは、’60年代後期から自動巻きの登場直前まで、2世代にわたってデイトナに搭載されました。
20年以上にわたって採用された文句なしの傑作です。
デイトナの第2世代にあたるRef.6262、6264から、オイスター仕様のRef.6263、6265まで、’60年代後期から20年近くにわたって採用された傑作ムーブメントそれがCal.727です。
これが傑作といわれる理由は、この1つ前のムーブメントのCal.72B(722-1)と同様に
緩急計のないアジャストスクリュー方式の調速装置を搭載したことで安定した精度を保つうえに、テンプの小型化によって、振動数を72Bの毎時1万8000振動から2万1600振動に大幅にアップさせるという飛躍的な進歩を遂げているからです。
また、耐震装置に”キフ・ウルトラフレックス”を採用するなど、細部にわたる改良を加えることで、
精度、耐久性ともに優れたムーブとなっているのが特徴です。
ところで、なぜロレックスは精度の微調節に緩急針ではなくアジャストスクリュー方式を採用したのでしょうか。
実際、緩急針を使えば比較的容易に精度は出るが、ヒゲ挟みの部分が外部からの影響を受けやすく、そのため精度が低下する原因になりやすいです。
そこで、ロレックスは高度な技術こそ必要だが、安定した精度を保つ
アジャストスクリューによる調整方法にこだわったようです。
斬新な改良によって極めて完成度の高い手巻きクロノグラフ・ムーブメントとして登場したCal.727。
これは時計史に残る傑作ともいわれ、また、Ref.6263、6265が絶大な人気を誇っているのは、ねじ込み式プッシュボタンを搭載して防水性能を確保したのとともに、このムーブメントの人気によるところも大きいといわれています。
テンプが小さくなり、耐震装置にも改良を加えたCal727。ピラーホイール、スライディングギア、チラねじ付きテンプなど、今ではなかなか見られない高級ムーブの証ともいえるパーツも見事に装備しています。
cal.727搭載モデルのデイトナの紹介
第2世代(Ref6262、6264)第3世代(Ref6263、6265)に渡り20年以上愛され続けた
cal.727のムーブメント。ここではそんな今でも人気を誇るデイトナを紹介します。
特に防水性能が搭載された後者からのモデルの人気はその他を圧倒します。