バカラグラス今はなき敗退の美しさ
目次
今回は、大変ぜいたくなアンティークバカラの数々をご紹介したいと思います。
アンティークバカラ ルビー色のヴァニティーセット
大変美しい、アンティークバカラのヴァニティーセットのご紹介です。
ヴァニティーセットとは、ドレッサーで使う化粧道具一式のことです。
ストッパーにも美しいカットがほどこされた香水瓶が4本、アトマイザー、
パウダー用の広口瓶の6点がセットになっています。
いずれも高品質な吹きガラスでできており、ルビー色の被せガラスに、面取りをしたパネルと星の形のカットがほどこされています✧
いずれの瓶も、底面には、24角の星形のカットがほどこされています。
このデザインは、バカラの1916年のカタログに“F.266”として掲載されています✑
紙ラベル時代の製品なので、バカラマークは刻印されていません。
バカラでは1860年以降、バカラのロゴを記した丸い紙ラベルを貼っていましたが、時が経つにつれ、はがれてしまったり、
洗い流されてしまったりと、多くが失われてしまっているのです。1936年以降、現在では、エッチングで彫ったロゴに改変されています。
ルビー色の被せガラスにほどこされたカットが美しく輝く、大変ぜいたくなセットです💎
サイズは、香水瓶(小)が、高さ約14.6cm、口径が約5.4cm、
香水瓶(大)は、高さが約17.8cm、口径が約6.7cm、
アトマイザーは、高さが約19.4cm、底の直径が約6.7cm、
広口瓶は、口径が約6.4cm、高さが約4.1cmとなっています。
バカラのサービングトレイ、デカンター、グラスのセット
こちらは、1900年頃に作られた、ストッパー付きのデカンターのペア、
グラス12個、それらをのせるサービングトレイといった、豪華15ピースセットです✧
どのピースも金彩でふちどりがほどこされています。
デカンターとグラスは、斜めの線がうずまくようなデザインになっており、波型の金彩でふちどられたトレイには、線が放射状にはいっています。
トレイの両端には、“Baccarat”と刻印されています。デカンターとグラスには刻印はありません。
サイズは、トレイが約33×22.9cm、
デカンターは、高さが約19.7cm、
グラスは、高さが約4.1cmとなっています。
ルリ クリスタルカラフ
アンティークバカラの中でも人気のリュリ(Lulli)シリーズから、カラフ(デカンター)のご紹介です。
アシッドエッチングの技法で繊細で美しい模様が描かれているリュリ(Lulli)シリーズは、1932年から1961年の間に製作されました。
アラベスク様式の優雅なデザインになっています✨
こちらのカラフは、1960年頃に作られたものと思われます。
ルリ ワイングラスのペア
こちらもリュリ(Lulli)シリーズから、優雅なゴブレットのペアのご紹介です🍷
バロック音楽の作曲家でありバイオリン奏者であったジャン=バティスト・リュリ(1632~1687。
元はイタリア人でジョヴァンニ・バッティスタ・ルッリという名でした)にちなんで作られたシリーズです。
こちらのワイングラスも、繊細な、ツタのような草花模様がアシッドエッチングで彫られています。
1936年以前の製品ですので、バカラの刻印はありません。
サイズは、高さが約8.8cm、口径が約7.6cm、底面の直径が約7cm、重さが約250gとなっています。
香水瓶3ピース ゴールドの収納カバー付き 19世紀半ば ジャン=フランソワ・ロベール作
こちらは、香水瓶3本が、ゴールドのクラシカルで美しい飾りのついたカバーに入ったセットになります。
香水瓶はそれぞれ、上から見ると円を3等分した形になっていて、面取りした、厚くぽってりとしたクリスタルでできています。
サイズは、高さが約14.6cm、重さは約990gとなっています。
オパーリン・クリスタル たわむれる天使のボウル
白いオパーリン・クリスタルガラスで作られた、大きなサイズのボウルです。
たわむれる天使たちの絵が描かれています。
こちらのクリスタルは非常に重さがあり、軽くたたくと、とても長く深みのある音色を響かせます🎶
19世紀半ばにバカラで作られたオパーリン・クリスタルガラスの作品に描かれていたのは、ほとんどが花の図柄でした。
ですから、こちらの天使の絵のボウルは大変珍しい品となっています。
実際、このようなデザインのオパーリン・クリスタルガラスはバカラではほとんど見受けられません。
違った図柄ではありますが、同じようなボウルが、ジャン=ルイ・キュルティ著『バカラ』(1992年)の263ページに掲載されています。
おそらく、バカラのオパーリン画工として最も有名なジャン=フランソワ・ロベールの作と思われます。
ロベールは、1830年代にガラスへの彩画技術を発展させ、その方法を確立させました。
もとはセーヴルで磁器絵師として名を知られていましたが、1843年から1855年までの間はバカラ専属となりました。
そして、その当時、新しく人気を博していたオパーリン・クリスタルガラスの中でも、重要性の高い品々の絵付けを担ったのでした。
たわむれる天使は、エナメルで大変美しく描かれています。
ボウル下部の突起しているガラス面は、ゴールドと黒のエナメルで彩画されており、高級感を添えています。
こちらの品ではかなりはがれていますが、ボウルのふちには金彩がほどこされています。
底面を見ると、ゴールドの文字で“Baccarat”と書かれています。
サイズは、高さが約18.1cm、口径が約34.6cmと、大変大きなボウルです。重さは約3.6kgあります。
ホワイトオパーリンガラスの花瓶
ホワイトオパーリンガラスにエナメルで彩画された花瓶です。
1890年頃につくられました。美しい金、深緑、桃色、青の花模様が、オパーリンガラスの白いベースに描かれています。
台座の部分は花形のデザインになっています🌸
サイズは、高さが約35.6cm、口径が約12.7cm、重さが約1.1kgとなります。
バカラバッタモチーフのアンティーク花瓶
こちらは、バッタをモチーフにした、たいへん珍しい花瓶です。1880年頃につくられたものです。
花模様をバックに、とても大きなトノサマバッタが翅を広げています。このトノサマバッタの大きさ、
力強さが、強烈な印象を残す花瓶ですね (^^)
底面にはバカラの刻印が彫られています。
サイズは、高さが約21cm、開口部分が約10.3×5.3cm、台座が12×8.5cmになります。
バカラジャポニズム 鳥と月を描いた花瓶
こちらは、ジャポニズムスタイルのオパーリンガラスの花瓶になります。
鳥と月が日本画風にたいへん美しく描かれています。
ジャポニズム(日本趣味)がヨーロッパで大流行した1880年頃につくられたものとみられます。
ガラスというよりもまるで陶器でできた壺のようですね (^^)
サイズは、高さが約25.4㎝、幅が(最大)約15.2cmとなっています。
世界最大のガラスコレクションをもつアメリカのコーニングガラス美術館にも、同じデザインの花瓶が所蔵されているそうです。
インタリオカットのアンティーク花瓶
こちらは、インタリオカットのアンティーク花瓶になります。
インタリオとは沈み彫りのことで、逆に浮き彫りのものはカメオと呼ばれています。
ふっくらしたこの花瓶の正面は、円形の平面になっていて、インタリオ彫刻がほどこされています。
描かれているのは、古代ローマの一場面です。台座と口の部分は長方形になっています。
上品な形状のこの花瓶は、1878年のパリ万国博覧会のためにつくられました。
バカラの職人の卓越した技術と腕前をあらわした作品となっています✧
サイズは、高さが約15.1cm、首部分が約7.6×3.4cm、台座部分が約4.0×5.7cm、重さは約670gとなっています。
いかがでしたでしょうか。
アンティークバカラのアイテムは、そのひとつひとつに大きな存在感がありますね。