クロノグラフ腕時計 ブライトリングの歴史
クロノグラフ腕時計 ブライトリングオールドナビタイマー パイロットウォッチのパイオニア
パイロットウォッチのパイオニアモデル
ブライトリングは、パイロット用のクロノグラフとして
真っ先に名前が上がるであろうモデルの1つです。
ブライトリングが手がけたのは、スパシオグラフやクロノマットなど、
数多くのプロフェッショナルモデルですが、このオールドナビタイマーが、
原点と言えるものとなります。
パイロットウォッチの中のパイロットウォッチとも呼ばれるこのモデルは、
タイプ52と言われる航法用の回転計算尺を装備しています。
さらに、操作性、耐久性、視認性にも優れているのです。
ブライトリングのナビタイマーの移り変わり
計算尺は1952年当時の航法には欠かせない装備でした。
それは、航行するためにこそ生まれたナビゲーターであると言わしめる存在だったのです。
ですが、クォーツが世の中に出てくることによって、一時は衰退してしまいます。
しかし、現在ではオールドナビタイマーとして、揺るぎない人気を誇るモデルとなっているのです。
クロノマットの登場
1942年になるとクロノマットが誕生します。
これは、ナビタイマーの原点となったモデルです。
掛け算や割り算だけでなく、速度計算なども可能となっている
対数計算尺を組み込んだクロノグラフです。
当時としては、大変画期的なものだったのです。
ナビタイマーの誕生
1952年にはナビタイマーが誕生します。
アメリカ海軍に所属していたウィームス大佐という人が考案したE6Bという航海用の回転計算尺を装備しているモデルです。
これは、国際パイロット協会が公認しているクロノグラフでもあるのです。
コスモノートの誕生
コスモノートとは、ナビタイマーのスペシャルバージョンで制作されたモデルなのです。
1962年、コスモという名前の通り宇宙飛行士のためだけに開発がされました。
こちらは24時間表示となっています。
キャリバー11の誕生
1969年には、ホイヤー=レオニダスとビューレン・ウォッチ、そしてデュポイ・デプラツとで共同開発された自動巻きのクロノグラフムーブメントであるCal.11が誕生します。
こちらは、リューズが左側についているのが特徴です。
LCDやLEDなどの誕生
1970年代に入ると多くのモデルが登場するようになってきます。
LCDやLEDだけではなく、奇抜なデザインのモデル、そして自動巻きモデルなどです。
クォーツが台頭してきた時代に、それに抗おうと試行錯誤した様子が見受けられます。
ブライトリングのオールドナビタイマーの誕生
ナビタイマーは一度生産が中止しています。
しかし、1985年になるとオールドナビタイマーの名前で復活しました。
発表当初は手巻き式でした。
自動巻きのオールドナビタイマーの誕生
1986年に発表されたオールドナビタイマーは、手巻き式でしたが発表された次の年に自動巻きへと変更されました。
さらに1992年には、モデルチェンジが行われました。
モデルチェンジの内容は、30mの防水性能、サファイアクリスタルの風防の採用、クロノグラフ針のBマークの装備などが行われ、デザイン性がアップされました。
ナビタイマー92の誕生
1992年になると、オールドナビタイマーの小型バージョンであるナビタイマー92が誕生します。
直径が26.2mmという小ささのブライトリング30を採用しているムーブメントです。
アヴィの誕生
1994年には回転計算尺を持たない、時差計測用の回転ペゼルを装備したナビタイマー アヴィが誕生します。
これは1955年に発表された「アヴィ」を自動巻きに変更し、再登場させたものです。
モンブリランの発表
1995年に発表されたモンブリランは、計算尺はナビタイマーと同じものになっています。
しかし、真ん中になる赤いサークルやロゴマークなどは、1940年代に生産されていたクロノマットのデザインを再現しています。
ナビタイマー メカニック’50の登場
1998年に入ると、ナビタイマー メカニック’50が発売されました。
ダイヤルの再現だけではなく、ムーブメントも手巻きという当時とまったく同じように再現されています。
1950年代のナビタイマー初期モデルの復刻版として人気がありました。
ナビタイマー・ブライトリング・ファイターズの誕生
2000年に入ると、1994年代に活躍をした「スーパーファイター」と称される6機の戦闘機が刻まれた、ナビタイマー・ブライトリング・ファイターズと呼ばれる限定モデルが発表されました。
ブライトリングとクロノグラフ
1884年にレオン・ブライトリングは、スイスのジェラ山脈にある村、サン・ティミエに時計工場を創設しました。
それ以降、ブライトリングは”パイロットウォッチ”という形でクロノグラフの発展へと貢献をしていくのです。
ブライトリングと航空界の絆
ロンジンの「ルグラン」と呼ばれる懐中時計は、1879年に世界ではじめてのクロノグラフとして誕生しました。
しかし、今現在私たちが「クロノグラフ」と呼ぶ腕時計の形をしたクロノグラフは、ブライトリングが開発したものなのです。
1915年には「30分タイマー」と呼ばれる、30分の積算計を装備しているものが誕生しました。
この頃は、リューズだけですべての操作を行う「ワンプッシュ式」だったのです。
しかし、ブライトリングはこのリューズの他にも2つのボタンをつけて、操作性を向上、クロノグラフをより進化させていきました。
ですが、なぜブライトリングはここまでクロノグラフの進化にこだわったのでしょうか。
理由としては、航空界との深い絆がありました。
ブライトリングは、1884年に創業しましたが、その頃からパイロットのためのポケットウォッチやコックピットクロックを主に制作してきました。
そのとき、ブライトリングはパイロットが腕や足などに懐中時計を巻きつけて操縦している姿を目にするのです。
そこからブライトリングは腕時計型のクロノグラフ開発を思いついていくのです。
さらにプッシュボタンが2つもある理由としては、パイロットが操縦中に素早く操作できることを考慮しています。
そして1842年、ブライトリングのパイロットウォッチメーカーとしての地位を決定づけたクロノマットを誕生させます。
クロノマット誕生のおよそ10年後、1852年にはナビタイマーを誕生させ、他の追随を許さないほどの地位を確立させたのです。
ブライトリングは、計算尺を装備した究極とも呼べるパイロットモデルを完成させることで、その信頼を絶対的なものへとしました。
そして1969年には、ホイヤー=レオニダスやビューレン・ウォッチとの共同開発を開始。自動巻きクロノグラフ・ムーブメントであるキャリバー11を誕生させるのです。
それからも伝統のモデルは、そのままに次世代型クロノグラフの開発へと意欲を燃やしていきました。
そこで誕生していったのが、クロノマット、エアロスベース、そしてエマージェンシーなどです。
ブライトリングムーブメント
大空で使用するパイロットウォッチには、その過酷な環境に耐えるべく、高いクオリティが求められます。
耐久性や操作性など、通常のものよりもハイスペックを要求されるのです。
それの源となっているムーブメントにも、同様に強いこだわりが感じられます。
高スペックムーブメントの誕生に必須なメーカーの力
ブライトリングも当初は、自社でムーブメントを生産していました。
しかし、かなり早い時期からエボーシュを導入し、改良していくという手段を取り入れることにしました。
初期の手巻きモデルであるナビタイマーも、ヴィーナスCal.178を採用しているものが、ブライトリングの代表的なものとなっています。
自動巻きに関して言えば、ホイヤー=レオニダスなどと共同開発したものがあります。
それが、キャリバー11を搭載したモデルです。
現在では、スイスでも高い実力を誇るクロノグラフメーカーであるケレック社に協力を依頼、飛行時にかかるGにも耐えうる強さと、高い精度を持つムーブメントを誕生させています。
今日のブライトリング ムーブメントには、自動巻きである「ブライトリング13」をはじめとして、機械式とクォーツ式の複合型や手巻き式、さらにクォーツ式など実に豊富な種類のクロノグラフを生み出しているのです。
ブライトリングによく使用されたヴィーナス社
機械式時計の一時代を作ったクロノグラフメーカーとしてあげられるのが、バルジュー社やレマニア社ですが、その中にブライトリングでもよく使用されていたヴィーナス社の名前もあります。
ヴィーナス社は手巻き式ムーブメントを得意としていましたが、その評価はとても高いものでした。
機械式クロノグラフはとても、複雑な機構となっていますが、その中でももっとも複雑だったのが、スプリットセコンド機能が付いたクロノグラフCal.179や、クロノグラフに日付と12時間計、そしてムーンフェイズまでも搭載させたCal.190など高い技術のムーブメントを生産していたヴィーナス社の実力は、他メーカーの追随を許さないものでした。
さらに、それだけではなくヴィーナス社では、スモールセコンドを6時の場所に配置したCal.170や、角型のCal.131など大変ユニークなキャリバーも制作しているのです。
そんなヴィーナス社がムーブメントを提供していたブランドとして知られているのが、ビューレン、ギャレット、ウィットナーなどがありますが、その中のブランドにブライトリングも含まれているのです。
ブライトリングの初期のクロノグラフにヴィーナス170を使用しています。
さらに初期のナビタイマーに、12時間計や30分積算計、そしてスモールセコンドのついたヴィーナス178を採用しています。
それは、ブライトリングのほとんどの手巻き式クロノグラフにヴィーナス社のムーブメントを採用していたとも言えるのです。
ブライトリングとヴィーナス社は、切っても切れない深い絆で結ばれた関係にあったのです。
ヴィーナス社は、その当時バルジュー社などと、エボーシュ連合の傘下として活動していました。
しかし、1984年にETA社に完全吸収されてしまうのです。
ライバルであったバルジュー社は、吸収されたあとも、その名前を残すことができましたが、ヴィーナス社は残念ながらその名前を現在では見ることが出来なくなっています。
なので、現存するヴィーナス社のムーブメントは現存する個数が決まっており
年月が経つと同時に希少性が高まっているムーブメントと言えます。
いかがでしたでしょうか。
ブライトリングの歴史背景を知ることによってなぜ
””パイロットウォッチといえばブライトリング!””
と言われるようになったかが分かったかと思います。
時計はデザイン性だけで選ばずそのような歴史背景を知りその激動の歴史に共感をして
時計を身につけていただければもっと時計に愛着が湧いて大切に使えると思います。