エミール・ガレ オルセー美術館での装飾美術デッサン画の展示
創るためにデッサンされた、美しき夢幻境
装飾美術のデッサンは、芸術作品の創作活動における重要な目撃者であり、しばしば生まれた作品よりも多くのことを物語ります。
芸術的、技術的、時に工業的な作業の連鎖の第1ステップとして、デッサンには作者の意志が凝縮されています。
オルセー美術館には、我々に制作者がどのように行動したのかをより詳しく知らせてくれるこれらのデッサン画の豊富なコレクションを備えています。
エミール・レベール(1826-1893年)
蝶のティーポット
1878年
インク、墨、トレーシングペーパー上は鉛筆
動物は絶え間ないインスピレーションの源であり、装飾品の制作に動物を使用することは19世紀以前から行われていました。
作品が展示されている個々のアーティストたちは、動物世界を構成するこの伝統的なインスピレーションの源に対して様々なアプローチを示しています。
あるいくらかの人々は動物の細かな側面に敏感であり、他の人々は日本の電灯に影響を受けています。
注意深く観察されたデッサンに力を入れる人もいれば、根本的に形状を再構築する人もいます。
クラウディス・ポプラン(1825-1892年)
花飾りと空想の鳥の習作
1870年から1880年
インクと水彩画
このアプローチの多様性の中にこそ、その時代の描画文化の豊かさがあり、デッサンはその制作の道筋を残しているのです。
エミール・ガレと動物装飾
展示されているデッサンは、巨匠の手によるものもしくはデッサンの工房で修正されたものでありますが、どれもエミール・ガレの創作活動を直接的に示すあかしです。
彼は1880年にこう記しています。
「紙に記されたこれらの型式は正真正銘のオリジナルだ。そのデッサン画のコピーである作品自身よりも――それがどんなに忠実だとしても――はるかに大きな、きちんとした美術的価値を有している。」
アトリエ・エミール・ガレ
ファイアンス陶器製4面の2つの花瓶
1863年から1930年
クレヨン、水彩、白と金のガッシュのハイライト
エミール・ガレは、自然から生み出されるものは無限に尽きないという彼の信念をもって、インスピレーションを使いつくす、もしくは19世紀末に主流であった芸術の表現様式を脆弱にするといった批判に対抗しました。
彼は様式化という概念を、生命の感情のほとばしりのような本来の形を奪い、自然の精神に背くものだとして拒みました。
逆に観察とデッサンによって、生命の力や自然の創造主へと回帰することを称賛しています。
生命そのものである感情のほとばしりを根本的な構造によって暴き、生命が生き延びるための無数の力を知覚することです。
この基本的な感情のほとばしりこそが、本当に新しい芸術を生み出し、彼にアイデンティティーを与えるものとなったのです。