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フランスの高級シルバーカトラリー クリストフルの国外工場(1910~1940)の猫マーク

 2017/04/12 クリストフル
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カミカ
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クリストフル工場の海外展開

1854年(一説によれば1856年)、フランス銀器の老舗クリストフルは、

ドイツのカールスルーエに初めての支社を設立しました。

製造地を海外に移転したのは、重い関税の負担を少なくするためでした。

製造の計画自体はとても単純で、まずパリで製品を銀加工の前段階まで仕上げ、

クリストフルまで運んだ後、銀加工するというものでした。

その後、クリストフル工場はさらにその会社を

当時のオーストリアハンガリー帝国のウィーンに設立しました。

19世紀にカールスルーエとウィーンで銀加工された製品は、

本場のパリで製造された銀器と見分けがつきませんでした。

それも、当時は銀器の模様や製造番号が全て同じだったからです。

しかし、パリとクリストフルの製品を唯一見分ける方法があり、

それは銀器の模様のコントラストの違いでした。

クリストフルの銀器の模様は、銀加工される前に作られたために

微妙にコントラストが浅くなっていました。

クリストフル社の猫マークの使用

そして20世紀になるとクリストフルはさらに多くの工場を立ち上げ、

今までの状況とは一変しました。

そして、1910年から1940年にクリストフルの支社が製造した銀器にはそれぞれ、

猫マークと呼ぶべき模様が付けられるようになりました。

たいてい、その猫マークは本社で作られたものよりも鋭く彫られています。

以下が、クリストフル模様の典型的な例です。

クリストフルの銀器の模様(カルースルーエまたはウィーン支社)

1913年にカルースルーエ(またはウィーン)支社で製造されたクリストフルの銀器の模様

製造番号は2414555で、左側に猫マークがあります。

クリストフルの銀器の模様(ムッソ支社)

1922年にムッソ支社で製造されたクリストフルの銀器の模様

製造番号は2760777で、この場合猫マークは上段に配置されています。

その後、相次ぐ工場の閉鎖

その後の第一次世界大戦の後、

カルースルーエとウィーンの工場は両方とも閉鎖してしまいました。

しかし、1924年には、ムッソ(イタリアのミランの近く)と

プゾー(スイス)に新しい支社が設立されました。

20世紀半ばには、 ブエノスアイレス子会社が設立されました。

しかし、その操業は長くは続きませんでした。

その後1929年の世界恐慌の影響を受けたフランス経済は1930年に傾き、

1930年から1932年の間にムッソ支社も閉鎖となってしまいました。

スイスのプゾー子会社はその後も操業を続けましたが、

第二次世界大戦時に生産終了となってしまいました。

彫りこまれた猫マークと、数字の謎

2年前から今にかけて、私はたくさんの、以下のようなクリストフルの銀器

(1910年から1940年に製造されて、猫マークが残っているもの)を購入しました。

クリストフルの銀器(左上) クリストフルの銀器(右上) クリストフルの銀器(左下) クリストフルの銀器(右上)

クリストフル支社で製造された、製造番号入りの銀器

製造番号はそれぞれ2414555 (左上)、2760777(右上)、2805353(左下)、2833855(右下)

 

そしてその模様を写真に納め、以下のように製造年月毎に並べてみました。

それぞれプレートには猫の顔と2桁の数字があり、銀器によっては、

猫マークと2桁の数字が別のプレートに彫られていました。

彫りこまれた数字は、製造された年や銀器の種類と特に関係しているわけではなく、

現段階ではその意味はわかっていません。

また、それぞれの銀器の製造年月は、

猫マークを手掛かりにするという新しい手法を元に推定されています。

しかもその誤差は、大きくても2年以内と言われています。

クリストフルの猫マーク(製造番号2414555)

サイズ:2.1 x 3.0 mm

製造番号:2414555

製造年月:1913年12月

製造地:カルースルーエまはたウィーン

クリストフルの猫マーク(製造番号2676455)

サイズ:2.0 x 3.3 mm

製造番号:2676455

製造年月:1920年12月

製造地:カルースルーエまはたウィーン

クリストフルの猫マーク(製造番号2677451)

サイズ:2.2 x 3.1 mm

製造番号:2677451

製造年月:1920年12月

製造地:カルースルーエまはたウィーン

クリストフルの猫マーク(製造番号2760777)

サイズ:2.6 x 2.6 mm (猫マーク)、2.0 x 2.0 mm (数字)

製造番号:2760777

製造年月:1922年4月

製造地:ムッソ

クリストフルの猫マーク(製造番号2805329)

サイズ:2.2 x 3.3 mm

製造番号:2805329

製造年月:1924年7月

製造地:プゾー

クリストフルの猫マーク(製造番号2805353)

サイズ:2.0 x 3.5 mm

製造番号:2805353

製造年月:1924年7月

製造地:プゾー

クリストフルの猫マーク(製造番号2833855)

サイズ:2.3 x 2.3 mm (猫マーク)、2.1 x 2.2 mm (数字)

製造番号:2833855

製造年月:1925年5月

製造地:ブエノスアイレス

※CCのイニシャルは、チャールズ・クリストフル(Charles Christofle)を意味しています。

クリストフルの猫マーク(製造番号なし)

サイズ:2.6 x 2.6 mm (猫マーク)、2.1 x 2.2 mm (数字)

製造番号:なし

製造年月:1931年

製造地:ムッソ

クリストフルの猫マーク(なし)

サイズ:2.6 x 2.6 mm (猫マーク)、1.9 x 1.9 mm (数字)

製造番号:なし

製造年月:1931年

製造地:ムッソ

クリストフルの猫マーク(製造番号なし)

サイズ:2.0 x 3.3 mm

製造番号:なし

製造年月:1931年

製造地:プゾー

 

数字と製造年の関係

猫マークと数字から導き出される1つ目の結論は、

1-3の数字はカルースルーエとウィーン支社で発行されたものであるということです。

その理由は、1924年以前から操業していたのがカルースルーエとウィーンの支社だけだったからです。

1924年以降になってようやく、ムッソやプゾー、

ブエノスアイレスのような子会社が立ち上がっていきました。

ルマンディー大西洋航路定期船の銀器

また最近になって、ノルマンディー大西洋航路定期船の銀の器が、

eBayのオークションで出品されていました。

この定期船は1935年に作られ、その後クリストフルの模様に倣った、

OCという楕円形(または長方形)模様が船の器に使われるようになりました。

ルマンディー大西洋航路定期船の銀器

CGT (カンパニー・ジェネラール・トランザトランティーク)のロゴが入った器

そして、写真の右下には、はっきりとした猫マークと2桁の数字が見られます。

ルマンディー大西洋航路定期船銀器の猫マーク

CGTのロゴが入っている器に彫られた模様と猫マーク

 

この手がかりから、模様に記載されている5から6の番号は、

プゾー支社で発行されたものということがわかります。

それもそのはず、この器が製造された当時、

操業していたのはクリストフルの子会社だけだったからです。

そして残りの数字、4と7~10は、他のものよりも数が少ないため、

あまり長く続かなかったブエノスアイレス支社で発行されたものとみられます。

クリストフル ガリアの猫マーク

また面白いのは、ムッソ支社で作られた猫マークがガリアの模様と非常によく似ていることです。

ガリアの猫マーク1

ガリアの猫マーク2 ガリアの猫マーク3

ガリアの猫マーク

しかし、ガリアの模様にはクリストフルのものとは違って、

2桁の数字が入っていませんでした。

それに加えて、ガリアの模様は、

クリストフルの模様よりもひとまわり小さいのが特徴です。

(およそ1.7 mm x 1.7 mmから2.0 mm x 2.0 mm)

製造年の手がかりとなる猫マーク

クリストフルの銀器の製造年月が不明なものが多いですが、

今回、猫マークがクリストフルの食器の製造年月を知る大きな手掛かりとなることがわかりました。

ここに載っていない情報や別のご意見をお持ちの方は、

ここにコメントをいただけると幸いです。

 


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妹尾 満隆

妹尾 満隆

合同会社SENOO商事の代表をしております妹尾満隆と申します。

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特にアンティークにおいては

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などたくさんの課題がありました。

そこで私は、これまでのお客様との取引の実績、知識、経験、情報を元に正しい情報をウェブを通して発信していくことを会社の方針と掲げました。

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なぜならアンティーク品の場合は情報量の不足から、買い手側が圧倒的に不利な立場にあったからです。

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