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コールポートセーブル焼、マークの秘密

 2016/05/17 コールポート
この記事は約 9 分で読めます。 4,465 Views

本日もご覧いただきありがとう御座います♫♫

 

コールポート(COALPORT)通販取扱店

コールポートショップ店長の加寿美です(*^^*)

 

 

今回は、

少し不思議な、セーブル焼のマークについてお話しします。

 

フランス・セーブルで生産されるセーブル焼。

その器を裏返すと刻んである、くにゃくにゃした文様、

これがセーブルマークですね。

 

時代によってパターンが異なり、フランスの歴史と政治体系にも関わっているので、

文様から年代を読み解くのも面白そうです♪

 

一覧

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、セーブルマークの通称『ダブルL』は1751年に導入され、

1753年には年記号が加わりました。

 

『A』から始まった年記号は、一年ごとに1文字ずつすすんで、

1777年に『Z』に辿り着き、

1778年に『AA』からまた始まって、

1793年の『PP』まで続きます。

 

その後フランス革命によりルイ16世の王朝が倒れたため、

1793年以降、ダブルLマークはRépublique Française(フランス共和国)の略、

RFマークに取って代わられます。

 

1803年に共和政時代が終わり、統領政府時代が始まってすぐ、

1804年、名高きナポレオン・ボナパルトによる帝政時代が始まります。

 

長くは続かなかったナポレオンの時代が終わり、

1814年、再度王制時代が到来します。

 

年数が多くてクラクラしますね。。。

 

もうそろそろお分かりかも知れませんが、

ダブルLの『L』はルイ(Louis)のL、

ダブルCの『C』はシャルル(Charles)のCですね。

 

つまりルイ王朝時代に作られたセーブル焼だけに、

ダブルLマークが施されているのですね。

 

この時、ルイ18世が王位についたため、

セーブル焼の工房は『ダブルL』マークを復活させます。

 

しかし、1824年、シャルル10世が王位を継ぐに伴って、

ダブルLはダブルCに変わってしまいます。

 

ここまでが大まかなダブルLマークの説明です!

 

器の裏を観るのがまた楽しくなりそうですね♫

 

でも実はこのダブルLマーク、セーブル以外でも真似されているようで、

イギリスやヨーロッパの工房、例えばコールポート、

ダービーやミントン、パリやポットシャペル、リモージュもコピーしていました。

 

 

少し、例を観てみましょう♪

 

01 minton

 

 

 

 

ミントン(イギリス/スタフォードシャー州)

1793年、トーマス・ミントンが設立。

 

ミントン社は元々陶器工房でしたが、1798年から磁器も始めます。

 

セーブルマークに似たこの印は、

1800年から1816年の間に作られたセーブル磁器の模造品に付けられました。

型番が2つのLの間に記されています。

 

 

02 paris-1

 

 

 

 

パリ(フランス/クリニャンクール)

1771年、ピエール・デルーレが設立。

 

クリニャンクールの絵付け工房は、フランス王家から特別な加護を受けていましたが、

1784年に時の王の弟からの許可を得て、それまでセーブルの独占市場だった

多色彩磁器マーケットに参入してきます。

 

 

03 paris-2

 

 

 

 

パリ(フランス/ルー・デ・ラ・ペ)

1820年フイエが設立。

 

19世紀に使用。

ここでは、色んな磁器工房から器を集めて、セーブル風に装飾しています。

 

 

04 paris-3

 

 

 

 

パリ(フランス/ルー・フォーブル・サン・マルタン)

1870年バルタザル・オーギュスタン・ル・フジューが設立。

 

1870年から1900年の間に使用。

 

この工房は、下記エドモンド・サムソンと並んで、特に有名なセーブルフォロワーでした。

 

 

05 paris-4

 

 

 

 

パリ(フランス/ルー・ベランジェ)

1873年エドモンド・サムソンが設立。

 

19世紀後期から20世紀に使用。

 

このエドモンド・サムソンは『真似っこサムソン』と渾名される程、

マイセンやセーブル、ナポリの模造品を作っていました。

 

始めは主に自分のコレクション用、または博物館に納める為でしたが。。。

 

 

06 potschappel

 

 

 

 

ポットシャペル(ドイツ/ザクセン)

1872年カール・ティーメが設立。

 

20世紀に使用。

 

ポットシャペル社は、伝統的な方法で美術品磁器を作製し、

今なお作り続けています。

 

 

07 coalport

 

 

 

 

コールポート(イギリス)

1796年ジョン・ローズが設立。

 

1830年—1850年に使用。

 

有名なコールポートですが、1805年までの作品にはマークを入れておらず、

初期は絵付けも自社以外の工房に出していました。

 

1820年にウィリアム・ビリングスリーが加わり、絵付けの改善を始め、

1830年からセーブルを参考にした絵付け磁器を展開します。

 

 

08 derby

 

 

 

 

ダービー(イギリス)

1756年プランシェ、ジョン・ヒース、ウィリアム・ドゥーズベリが設立。

 

1840年—1849年使用。

 

実は1745年に初期ダービー社が始動していましたが、長くは続かず、

ウィリアム・ドゥーズベリの手腕による1756年からの試みで、軌道に乗り始めます。

 

『ダービー、もしくは第2のドレスデン』というキャッチコピーに相応しく、

マイセンを意識して制作していました。

 

後に、1784年にチェルシーの工房と合併し、

19世紀中盤は多くのセーブル焼が参考にされました。

 

 

09 foecy

 

 

 

 

フォエシ(フランス/シェール)

1898年ルイス・ルリオが設立。

 

20世紀に使用。

 

フォエシは、セーブルに影響を受けた食器や美術品としての磁器を作っていました。

マークも初期のセーブルのようにシンプルですね。

 

 

10 denis

 

 

 

 

サン・ドニ(フランス/セーヌ)

1778年ラフェルテが設立。

 

1778年−1780年使用。

 

サン・ドニは、セーブルが多色彩装飾を独占し始めた時を同じくして設立されました。

初期からダブルLのモノグラムが施され、1979年と1780年には年が記載されました。

 

 

11 lichte

リヒテ(ドイツ/テューリンゲン)

1822年ヨハン・ハインリッヒ・リーダーが設立。

 

1824年−1840年使用。

 

このマークはウィルヘイム&ハインリッヒ・リープマン兄弟が工房を仕切っていた頃に使っており、

1840年にクリストフとフィリップ・ヒューバヒが継いでからは別のマークが導入されます。

 

 

12 limoges

 

 

 

 

リモージュ(フランス)

1771年ジレー、マシエ、フルネラが設立。

 

1784年—1793年使用。

 

リモージュ設立当初はアルトワ伯爵の加護のもとにありましたが、

1784年にフランス国王付けになったのを機にダブルLマークを使用し始めました。

 

実際のリモージュの工房は1796年に閉鎖となり、

まだ白いままのリモージュ磁器の多くは、セーブルの工房により絵付けされました。

 

 

 

いかがでしたか?

 

まだ一部ですけど、

こういう専門っぽい秘密を知っておくと、

よりアンティークショッピングが楽しくなりそうですよね?

 

お家のカップの裏をみてみたり、

ちょっと画像検索したりして、

『ふ〜ん、これは「B」だから1755年製のセーブルね♪』

 

なんて、腕試ししてみましょう!

 

 

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妹尾 満隆

妹尾 満隆

合同会社SENOO商事の代表をしております妹尾満隆と申します。

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