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クリストフル(Christofle)のマークの歴史を知りたいあなたへ

 2016/03/21 クリストフル
この記事は約 8 分で読めます。 10,470 Views

本日もご覧いただきありがとう御座います♫♫

アンティークテーブルウェア店長の妹尾です(*^^*)

今日はクリストフルのマークが、いろいろあってなんだかわからない。

 

これってクリストフルなの?

そういった疑問を頂きましたので、マークを見ながらクリストフルの歴史をここで紹介させて頂きますね♫

 



 

クリストフルの刻印(マーク)の歴史

 

Christofle

クリストフルはシャルル・クリストフル(Charles Christofle)が 1830 年創業したフランスのシルバーウエアの老舗です。

古くは、フランス王ルイ・フィリップから注文を受ける ことにより王室御用達の認定を受け、その後ナポレオン3 世など、著名な人物から高く評 価されました。

今日では、銀製品の代名詞として世界各国の大使館、公邸、一流ホテルや レストランで愛用される人気ナンバーワンのブランドです。

 

クリストフルは、1844 年頃には大量生産の体制を整え、少なくとも 1930 年まではその 体制が続いていました。

そのため、19 世紀のクリストフルの銀製品は今や世界中のアンテ ィークショップや蚤の市で見ることができます。

その人気に便乗するように、フランスや他国のジュエリー会社が「クリストフル」のカト ラリーを模倣するようになりました。

 

例えばフランスの Ercuis、Halphen、Desclercs、 Frenais、

ドイツの WWF、August Wellner Soehne、Bohrmann、Hartmann、 Henniger、

オーストリア・ハンガリーの、Arthur Krupp Bendorf、Herrmann、

ロシア の Fraget、Noblin、などです。

ここでは、19 世紀にクリストフルのカトラリーで使用されたマークについてご紹介しま す。

1844~1859 年のマーク

NIKOCUTLERYFig.5 (1)

1844~1859 年に製造された銀メッキ(真ちゅう)製の食器には写真のような 3 つのマ ークが柄の中央部分に刻印されている。

これらのマークを左側から順に説明します。

 

 

1.CC 楕円マーク

NIKOCUTLERYFig.6

楕円形の中に、4つの星、大文字の C が 2 つ(Charles Christofle の略)があり、そ の真ん中に天秤と蜂、

そして下の方にはパームのような枝が 2 本描かれています。

これ らの要素は、クリストフルの容器類のマークにも共通しています。

カトラリーでは、天秤の下に番号が振ってあります。

これは、12 本のカトラリーを製造す るのに使用した銀の量がグラムで表されているんです(*^^*)

この写真では 72 となっていますが、これは 20.6~21.9cm の長さのカトラリーに通常 使われていた銀の量であり、

小さいサイズのカトラリーでは数字はもっと小さくなります。

楕円形の大きさは約 2.1mm x 3.6mm 程度です♫

2.製造年

NIKOCUTLERYFig.7aNIKOCUTLERYFig.7bNIKOCUTLERYFig.7cNIKOCUTLERYFig.7dNIKOCUTLERYFig.7eNIKOCUTLERYFig.7f

製造年の下二桁がダイアモンド型に刻印してあります。

ダイアモンドの大きさは約 2.1mm x 3.4mm です。

3 CRISTOFLE 銘

NIKOCUTLERYFig.8

 

 

カルトゥーシュ型のクリストフルの銘が一番右側に刻まれています。

マークの大きさは約 3.3mm です。

1847 年のカトラリーでさらに追加のマークが付いているものもありました。(下写真)

NIKOCUTLERYFig.9

 

 

これは、おそらく当時 42 歳のシャルル・クリストフルの横顔だと思われます。

なぜ 1847 年にこのマークが使用されたかはまだ不明の様です♫

NIKOCUTLERYFig.10a NIKOCUTLERYFig.10b

 

 

横顔のマークとシャルル・クリストフル氏の写真



1855~1878 年のマーク
この時代、クリストフは 1855 年以降はアルフェンディという会社(クリストフが買収)に よって作られた

合金に銀メッキをかけた製品を発売していました。

このころのマークは 1862 年を境にして分けることが出来ます。

これは、フランス政府が銀メッキ製品のマークに関す る法律を変更したためです。

1862 年以前のマーク
1855~1862 年も3つのマークを使用していた。順に説明する。

1 ALFENIDE マーク

NIKOCUTLERYFig.11

 

 

ダイアモンド型の中にアルフェンディと書かれたマークが刻印されています。

マークの 大きさは約 1.6mm x 4.3mm です。

2 CC 楕円型マーク

NIKOCUTLERYFig.12

 

 

この時代も、同じように CC のマークが刻印されており、12 本のカトラリーでの銀使用量が示されています。

使用量は、21~22cm のスプーンやフォークで 72 グラム でした。

楕円のサイズは約 2.0mm x 3.6mm です。

3 製造年

NIKOCUTLERYFig.13a NIKOCUTLERYFig.13b

 

 

同じく、製造年の下二桁が刻印されています。

1859 年まではダイアモンド型、1860 年以降は長方形の中に数字が書かれています。

1862 年以降のマーク 1 ALFENIDE マーク

NIKOCUTLERYFig.14a NIKOCUTLERYFig.14b

 

 

アルフェンディは長方形型に変更になりました。

マークのサイズは 1.7~2.2mm x 2.2~ 2.6mm 程度です。

2 長方形に囲まれた CC 楕円型マーク

NIKOCUTLERYFig.15a NIKOCUTLERYFig.15b

 

CC 楕円マークも長方形の中に描かれるようになりました。

また、蜂が消え、代わりにバ ラが描かれるようになりました。
1862 年から 1868 年までに製造されたものは、12 本のカトラリーでの銀使用量は 80 グラムに増量されています。

(上図左側)さらに、1868 年以降は 12 本あたり 84 グラ ムまで増量しています。(上図右側)長方形の大きさは約 2.4mm x 2.6mm です。

3 製造年

NIKOCUTLERYFig.16a NIKOCUTLERYFig.16b NIKOCUTLERYFig.16c NIKOCUTLERYFig.16d NIKOCUTLERYFig.16e NIKOCUTLERYFig.16f NIKOCUTLERYFig.16g NIKOCUTLERYFig.16h

 

 

製造年の下二桁が長方形の中に描かれています。

長方形の大きさは 1.3~1.9mm x 1.5~2.2mm 程度です。

4 CHRISTOFLE 銘

そして、1865 年以降は「クリストフル」が再び刻印されるようになった。 1865~1874 年は、カルトゥーシュ型(角が折れている長方形)

NIKOCUTLERYFig.17a

 

 

1874~1877 年は、くっきりとした長方形型です。

NIKOCUTLERYFig.17b

 

 

また、この銘のサイズは時とともにだんだん大きくなっています。
1865 年に 4.5~4.6mm だったものが、1868 年くらいから 5.2~5.3mm になり、 1874 年以降は 7.1~7.5mm になりました。

1878~1899 年のマーク
1878 年以降、クリストフルは自社のシルバー様の金属、メタルブランを使用してカトラリーを作り始めます。

そのため、ベースとなる金属のマークを使用していないのです。

1. 長方形に囲まれた CC 楕円マーク

NIKOCUTLERYFig.18

 

 

このマークは 1878 年以前に見られたものとほぼ同じです。

このころも、12 本のカ トラリーで 84 グラムの銀を使用していました。
長方形の大きさは約 2.5mm x 2.6mm です。

2 製造年

NIKOCUTLERYFig.19aNIKOCUTLERYFig.19bNIKOCUTLERYFig.19c

 

 

製造年の下二桁が長方形の中に描かれています。

長方形の大きさは 1.4~1.8mm x 1.8~2.0mm 程度です。

3 CHRISTOFLE 銘

NIKOCUTLERYFig.17b

 

 

長方形に囲まれたクリストフル銘が刻まれている。長方形の長さはおよそ 6.0~ 6.1mm です。

いかがでしたでしょうか?

クリストフルも歴史の長いカトラリーメーカーです。

歴史が長い分サインもたくさんの種類があって面白いですね(*^^*)

 

クリストフルでテーブルコーディネートをして頂ければ、高級ホテルの様な

豪華なテーブルに早変わりしますので、きっと皆さん驚かれると思いますよ♫

 

クリストフルを使って楽しい時間を過ごしてくださいね。


 

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妹尾 満隆

妹尾 満隆

合同会社SENOO商事の代表をしております妹尾満隆と申します。

ウェブという情報を発信してる人が見えてない中で、いろんな間違った情報がネット上にあるのを度々見かけます。

特にアンティークにおいては

・間違った情報
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・そもそも情報がない

などたくさんの課題がありました。

そこで私は、これまでのお客様との取引の実績、知識、経験、情報を元に正しい情報をウェブを通して発信していくことを会社の方針と掲げました。

ただ物を売る会社ではなく、これまでブラックボックスとされてきてた商品の真贋の見分け方を発信するというのが大切なことではないかと思ったからです。

なぜならアンティーク品の場合は情報量の不足から、買い手側が圧倒的に不利な立場にあったからです。

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