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伝統と現代感覚の融合 リモージュ

 2015/12/08 リモージュ
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フランス製陶磁器 リモージュ(Limoges)の歴史

 

 

リモージュ磁器、もしくはリモージュ焼は、

パリから列車で3時間ほど離れたリムーザン地方の首都リモージュ近辺で生産される磁器をいいます。

 

磁器の原料であるカオリンと呼ばれる白磁土がドイツで発見され、マイセン窯が開業するのが1709年。

これに遅れること半世紀以上、1768年にようやくフランスでも、

サンティリエ=ラ=ペルシュにて発見された白い粘土がカオリンであると分かり、

リムーザン地方長官アンヌ=ロベール=ジャック・チュルゴの後押しもあって、

1771年、リモージュ磁器製作所が開設されました。

 

工場経営者ジョゼフ・マシエと科学者ニコラ・フルネラは試行錯誤を繰り返しながら、

硬磁器を作り上げました。

資本提供はピエールとガブリエルのグルレ兄弟によって行われました。

リモージュの製陶所は1736年に開設していましたが、磁器の製造にはカオリン鉱床の発見を待たねばならなかったのです。

 

磁器の生産は1774年、アルトワ伯爵の保護下におかれ「アルトワ伯爵製陶所」として発展していきます。

しかし、セーヴル王立窯が製磁技術を独占した為、マシエは独学で製法を編み出しましたが、

その為研究費がかさみ、高い税金の為もあって経営は行き詰っていきました。

 

この時期、陶土の販売から得る利益の方が、工房の利益よりも遥かに上回っていました。

また、磁器製造よりもセーヴル窯への無彩色磁器の提供元としての役割が強かったのです。

 

当初は花やブーケをあしらったシンプルなデザインが特徴でした。

狼の歯をかたどった金の編み目模様もよく使われたモチーフです。

 

1784年にセーヴル王立製陶所がリモージュの製陶所を買い取ると、

セーヴルの兄弟窯として、セーヴルを凌ぐ高品質の磁器を生み出していくことになります。

デザインやフォルムは、より洗練されたものになっていきました。

 

可憐なヤグルマギクと真珠のデザインはこのデザインを愛した王妃の名を取り

「マリー・アントワネット」と呼ばれていて、ベルサイユ宮殿に納められたという記録が残っています。

 

「ルイ十五世」は国王の為に作られたディナーセット。

深いピンクと金彩が高貴な雰囲気を醸し出します。

ルイ15世の愛妾に贈られた「デュ・バリー夫人」は、青いリボンとガーランドが絡み合う優雅なデザイン。

他に「サン・クルー」「サン・ジェルマン」「ペルサーン」などのシリーズがあります。

 

しかし1789に勃発したフランス革命により、政府から売却された王立製陶所に代わり、

リモージュでは民間の製陶所が次々に作られることになります。

 

1840年代頃から、リモージュ市内には30以上もの製陶所が林立しはじめ、

最盛期にはその数は100を超えました。

特に名が知られているのはベニョル製陶所、ピエール・タロー製陶所、アリュオー製陶所、

プーヤ製陶所、リュオー製陶所などです。

 

1842年にニューヨークから訪れたダビド・アビランドは、

リモージュの磁器をアメリカに紹介し、販路を広げます。

 

彼は1862年にアビランド製陶所を設立し、

当時ヨーロッパを席巻していたジャポニズムをリモージュに取り入れました。

 

息子の代になり、兄シャルル=エドゥワールに反発した弟のテオドールが独立して

テオドール・アビランド製陶所を設立することになります。

閉鎖された製陶所も多い中、アビランド製陶所は現在でも健在であり、

リモージュの代表的な窯として勢力を保っています。

 

1851年のロンドン万国博覧会への出品によって、

リモージュの磁器は世界にその名を知られることになります。

 

白い生地に絵付けをした後、更に焼き付けるという手法で作られた、

透き通るような白さは「リモージュの白」と言われ、高い評価を得ました。

リモージュでは、白の質の追求と並行して本焼きの技術を追求し、

有名な濃紺からローズ、ブラウン、イエローなど様々な色の素地を産み出すことに成功しました。

黄色がかった素地の製品は蒐集家の間で高い人気を誇っています。

 

19世紀後半、リモージュ磁器は黄金期を迎えます。

この時期、パリの職人たちがリモージュにやってきて、絵付けに影響を与え、

製陶も芸術分野へと広がりレリーフや彫刻、置時計、花瓶、シャンデリアなどが作られました。

 

また、リモージュでは古くからエマイユやステンドグラスも作られており、

これらの技法を生かしたリモージュ・ボックスも作られ、愛されてきました。

 

ロココ時代に貴族の間で流行したボックスはキャンディーや嗅ぎタバコ、

付けぼくろなどを入れる容器として用いられ、貴族がポケットに入れて持ち歩くのにちょうどいい大きさで、

当初は金銀細工に宝石をちりばめた豪華な作りであったようですが、磁器の製法が広まるにつれ、

様々な凝った形の愛らしいボックスが作られるようになりました。

 

マリー・アントワネットは輿入れの際、52個の豪華なリモージュボックスを持参し、

コレクション用の棚まで作らせたといいます。

 

現在でも新しいデザインのボックスが昔ながらの製法で作られており、

一つ一つのデザインが少数生産である為、コレクターの人気アイテムとして世界中で愛されています。

 

フランス製陶磁器 リモージュの素晴らしき作品

 

リモージュ 小窓の中に隠されたブーケのカップ&ソーサー

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こちらがリモージュの作品になります(*^^*)

 

フランスの芸術性を感じられる豪華で美しい作品になってるでしょ😊

 

カップ、ソーサー共に8個の小窓で区切られて、その中には可愛らしい

ピンクのバラのブーケが描かれているんですよ👍

 

 

そして、その小窓を囲む金際は22Kの金が使用されいて

コバルト地の下地に相まってさらに金が映えて見えるようにされているんです💓

 

サイズ

ソーサー   直径   18cm

カップ    高さ    8cm

直径   12cm

 

超ビッグサイズですよね👀

 

なので実際に使用するのはちょっと難しいかもしれませんが、

こちらは飾り用として使用して頂けましたら、

大きくはっきりとしたフォルムに内側、外側共に金でコーティングされているので

飾り映えのある作品であると言えます(*^^*)

 

 

リモージュ ジャポニズムの影響を受けたカップ&ソーサー

リモージュ ジャポニズムの影響を受けたカップ&ソーサー リモージュ ジャポニズムの影響を受けたカップ&ソーサーリモージュ ジャポニズムの影響を受けたカップ&ソーサーの刻印

ヨーロッパではアールヌーヴォーの開花と共に、

当時鎖国を取りやめた日本からの芸術品がたくさん流れてきました。

 

その日本の芸術に感銘を受けて作られた作品がジャポズムの作品で

日本の伝統舞踊、武具、浮世絵、着物、こういった所からいろいろな

ヒントを得て、作品に取り入れて行ったんですね😁

 

そして、上記でご紹介した作品はカップ、ソーサー共に

雉を鮮やかな色彩で描いた作品になっています💓

 

 

緑、黄色、ピンク等の色鮮やかな雉とその間には蝶々が

描かれている面白い作品なんです✨

 

 

金際の上にそのような鮮やかな色で、絵付けをされているので

蝶や雉が鮮明に見えますし、非常に高級感を感じることが出来ます🎶

 

 

 

こだわりを感じる部分❗️

 

金際の部分はただ単に金で上塗りされているだけでなく

よーく見ると葉っぱの絵が描かれています(*^^*)

 

アールヌーヴォー時代のロココ調をしっかりと反映されているんですね😊

 

このような繊細な絵付けは、

現代のように機械に頼ることなくペインターが丁寧に一つ一つ描いていった

息使いを感じることが出来るアンティークであるからこその魅力ですよね✨

 

 

サイズ

ソーサー    直径   12cm

カップ     高さ    7cm

直径    6cm

 

 

先ほどの作品と比べると一般的な大きさなので

使用する際も全く違和感なく使用できますよ(*^^*)

 

取っ手の部分は、指を入れるのが難しいのでつまむようにして

持って頂ければ大丈夫です🎶

 

 

リモージュ フランスの春の訪れを感じさせる花々の風景

リモージュ フランスの春の訪れを感じさせる花々の風景 リモージュ フランスの春の訪れを感じさせる花々の風景

こちらの作品はいかにも春を感じさせてくれる賑やかな作品ですよね😊

 

今にも春の風に吹かれて、いろんな花の匂いが漂ってきそうです💓

 

この作品はアンティークの部類ではなく比較的現代に作られた作品です(*^^*)

 

現代に作られた作品でもリモージュらしい花をモチーフにした作品は、

今でもとっても人気があって創業初めから、今まで変わらない定番のモデルなんですよ😊

 

こんなに可愛い作品だったら、使うのがもったいなくて

ついつい飾っておきたくなっちゃいますね✨

 

もしくは、このカップ自体をプランターにして1輪の花を植えてあげると

すっごくおしゃれで可愛いプランターに早変わりしますよ😀

 

サイズ

ソーサー     直径   12cm

カップ      直径    5cm

高さ    7cm

 

 

私の使用感なのですが、

朝起きた時のティータイムで使用することが多いんです(*^^*)

 

なんでかといいますと、

こういった春を感じることが出来る作品で朝の一杯をすると、

気持ちが落ち着いて今日はどんなことしようかなぁって

頭をリラックスさせて考えることができるからなんですよねぇ👍

 

そうしたら本当は、

いろんなことやらないといけないと思ってバタバタしちゃうんですが、

段取りを決めてスタート出来るので仕事効率が上がるんですよ(*^^*)

 

やっぱりリラックスする時間って大事ですよね✨

 

 

リモージュ 小鳥と風景が描かれたバタフライハンドルのカップ&ソーサー

リモージュ 小鳥と風景が描かれたバタフライハンドルのカップ&ソーサーリモージュ 小鳥と風景が描かれたバタフライハンドルのカップ&ソーサー
リモージュ 小鳥と風景が描かれたバタフライハンドルのカップ&ソーサーリモージュ 小鳥と風景が描かれたバタフライハンドルのカップ&ソーサー

 

花の香りの誘われてやってきたのでしょうか(*^^*)

ハンドルの部分がバタフライの持ち手になっているオシャレなカップになっています😊

 

タイトルにリモージュも作っていたと書かせて頂きましたが

こちらの作品は、元々エインズレイが編み出したデザインなんです💓

 

やっぱりジャポニズムのデザインも、

いろいろなメーカーで作られたのと同じようにバタフライのハンドルも

エインズレイを参考に作ってるんですね🎶

 

こちらの商品なのですが、絵付けが柔らかく、

蝶々、スズメ、花々が描かれて可愛い作品になっています✨

 

シンプルではあるのですが、白の部分を生かしたデザインで

あえていろいろな絵付けをすることなく、

カップ、ソーサーに描かれた絵が強調されるように作られています。

 

そのため、ソーサーの花、スズメ、蝶の配置は絶妙ですよね(*^^*)

 

そして、カップの方は蝶の側面に黄色の花を描くことによって

花に蝶が留まっているように見えます💓

 

一見シンプルに見える作品なのですが、このように余白を生かし

全体のバランスで魅せる技というのはペインターの腕の見せ所だったんですよ👍

 

 

製作期間

1879-1889 年の間のたったの10年しか作られていない希少なモデルなんです(*^^*)

もう今から約100年前の作品になるので、現在まで残っている作品数は

非常に少なく、リモージュのバタフライハンドルは希少価値が高いんです👀

 

 

サイズ

ソーサー    直径   12cm

カップ     高さ    5cm

 

 

リモージュ 戯れる天使とローズブルームのカップ&ソーサー

リモージュ 戯れる天使とローズブルームのカップ&ソーサー リモージュ 戯れる天使とローズブルームのカップ&ソーサー リモージュ 戯れる天使とローズブルームのカップ&ソーサー リモージュ 戯れる天使とローズブルームのカップ&ソーサー

こちらの作品は天使たちが遊んでいるところを表現した作品なんです(*^^*)

 

カップ、ソーサー共に2つづつの金彩の小窓に分けられて、

片側には天使、片側にはローズのループが描かれています💓

 

遊んでいる天使たちの表情は可愛らしく、

無邪気に遊んでいるところが子供らしいですよね✨

 

天使の持っているジョウロが、生命に命を与えて

繁栄をしていくところが描かれているカップの中に

ストーリー性をもたせた珍しい作品なんです😊

 

 

片側の小窓にはローズのループが描かれて、

下地のコバルトと相まってそのグラデーションに吸い込まれていきそうですね👍

 

 

こだわりを感じる部分❗️

 

ハンドル部分にはお花の装飾をされています😊

一般的なふつうの何もないハンドルでも美しいのですが

この作品を作られた方のこだわりを感じますよね✨

 

ハンドルの部分にこの一凛の小さなお花があることと、

金彩でコーティングされていることによって

さらに高級感を感じさせてくれていると思います。

 

 

今日はこんな感じで、日本ではあんまり有名ではないけど素晴らしい作品を

たくさん作っているリモージュの作品をご紹介させて頂きました(*^^*)

 

 

 

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妹尾 満隆

妹尾 満隆

合同会社SENOO商事の代表をしております妹尾満隆と申します。

ウェブという情報を発信してる人が見えてない中で、いろんな間違った情報がネット上にあるのを度々見かけます。

特にアンティークにおいては

・間違った情報
・信ぴょう性のない情報
・そもそも情報がない

などたくさんの課題がありました。

そこで私は、これまでのお客様との取引の実績、知識、経験、情報を元に正しい情報をウェブを通して発信していくことを会社の方針と掲げました。

ただ物を売る会社ではなく、これまでブラックボックスとされてきてた商品の真贋の見分け方を発信するというのが大切なことではないかと思ったからです。

なぜならアンティーク品の場合は情報量の不足から、買い手側が圧倒的に不利な立場にあったからです。

このアンティークの世界をもっとクリーンで、信頼のおける分野に成長させていく事が私の使命だと思っております。

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