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ベネチアングラス🍷ムラノガラスの歴史のご紹介✨✨

 2016/10/28 ベネチアングラス
この記事は約 12 分で読めます。 3,143 Views

ベネチアングラス
ムラノガラスの歴史~ 繊細な芸術

 

こんにちは😊
いよいよ秋も深まってきましたね🍃

皆さまはどんな秋を楽しんでいらっしゃいますか?

芸術の秋、ということで今回は、

ムラノガラスのアーティスティックな歴史についてご紹介いたします🎨

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数あるガラスメーカーのなかでも、見事な美しさ、豊富な色合い、受け継がれた伝統技術と洗練・・

いまも最高峰のガラス製品はムラノで作られている、といっても過言ではないのではないでしょうか👑
ムラノで作られるガラス製品はガラス自体に色の付いたカラフルなデザインのものもたくさんありますが、

そのどれもに共通する魅力は、ナチュラルクリスタルのようによく透き通るガラス自体の透明度の高さです✨

 

そして華やかなペイントやエナメルのデコレーションも目を惹きます👀

 

アニマルモチーフの可愛らしいカメのガラス細工をご覧ください🐢🍸

 

こちらはメタル素材とのコラボレーションが素晴らしく、素材の良さを引き出し合っています👍
立体的にデコレートされた甲羅のフラワーパターンが可愛らしいですね💛

 

 

この装飾に用いられているエナメル・ガラスはダイヤやエメラルド、

ルビーなど色味を問わず、その他様々な人工宝石に用いられている素材です💎
どんな優秀な目利きでも、天然の宝石とエナメル・ガラスによる人工宝石の違いを見極めるのは困難だ、

と言われるほど見栄えが良く、精度の高いものなのです❢❢
ガラス製造の技術がもたらした影響の多大さが感じられる逸話ですね♪

 

ガラスは強度の高い宝石類とは異なり、その壊れやすさから、

 

一生モノとして手元に置くことはあまり考えられないのかもしれません、、😿

 

けれども、そのはかなさを伴う存在は、自然や人々の生活を反映しているようで、

いっそう美しさを感じられる、と、古くから言われています👀✨

 
ベネチアンガラスの魅力の開花は、芸術作品の素材としてガラスが用いられていた頃にさかのぼります🎨
いまや世界的に知られた神話のように、ベネチアンガラスの発明や功績は語り継がれています。
けれども、実のところ、芸術的なガラス作品が作られていた地域はムラノだけではありませんでした。
では、なぜムラノは、その他多くとは一線を画し、ガラス細工の頂点と認められるようになったのでしょうか❢❔

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この問いかけに答えるために、ムラノがいかにガラス制作のために

恵まれた地域であったかについて詳しく挙げてみましょう👍
ベネチアの小さな島であるムラノはルネッサンス期(14世紀~16世紀)を通して、

中流階級および裕福な層の人々に大変人気の観光地でした。

 

当時、旅行者はムラノのガラスだけを目的に訪れていたわけではなく、

ムラノ島に遺された宗教的な遺跡巡りや、殉教者にとっては

聖地への通過点として賑わいを見せていました🌈🌈

 

当時のムラノのその賑わいは、イタリアのその他の地域と同じく、

疫病ののちに起こった人口増加と経済的な急発展による混乱ともいえます👀❢

 

そして多くの旅行者を迎え入れるべく、また多くの人が商売のために殺到し、

結果として地域の経済的向上につながったのでした。

 

なかでも裕福な中流階級の商人や銀行家、貿易商は率先して高級なムラノのガラスを買い付け、

ラグジュアリーな品物を消費ルートに乗せることで経済を拡大させることに一役買ったといわれています👑👑
当時、ガラスは目新しい財産として所有されていました🍸
それらは美しく目を惹く装飾としても重宝され、貴金属の調度品による経済効果を上回るものでした👏
そのようにガラス製品はキッチンウエアとしてのみならず、

持ち主の地位を物語る高級なぜいたく品としての役割を強く担っていたのです👍

ベニスはガラス産業の同業組合の本拠地でした🚢♪

 

 

ムラノガラスの、アーティスティックな手仕事というイメージから、

奔放な職人たちの姿を思い浮かべますが、

 

実はガラス職人の仕事は組合によって細かく分業され、割り振られ、

規制に基づいて従事するというものであり、完成品および原材料も組合によって管理、分配されていました。

また、組合には品物を他の地域に流通させるための部門も設けられていました👀!!

 
このようにガラス産業の組合は同じ地域の同業者として協力し合い、

ひとつひとつのプロセスに特化したプロフェッショナルを生み出し、

製品のクオリティーはもちろん、ガラス産業そのものの質の向上に成功したのです👍✨
そしてガラス生産の中心地であったムラノ島はその後、

ガラス産業の繁栄維持のためにイタリア政府より特別な援助を得ることとなり、正式にベニスの都市との併合を果たしたのでした👏

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生産過程のひとつひとつが職人の手仕事によるムラノガラスですが、その素材の選定も大事な仕事のひとつです🍸
使用される素材によって完成するガラスの精度が完全に左右されてしまうのです❢
それでは続いて、透明度の高いムラノガラスの製造秘話、ガラスの歴史に迫ります✨

 

世界一透明なガラス、クリスタッロの誕生

ルネッサンス期を通しベネチアンガラスに使用されていた原材料は、

当時の競合相手であったイスラミックガラスで用いられていたものとは少々異なりました。
その違いは小さなものですが、その微妙な違いこそが、平凡なガラス製品を魅力的な芸術作品へと昇華させたのです✨✨

 

ガラスの基礎成分はシリカと呼ばれる物質です。

 

(※シリカ―水晶、砂、瑪瑙などに結晶または非結晶の形で含まれる二酸化ケイ素。

ガラス、コンクリート、半導体の絶縁体などの材料として使われる。)

 

ガラス製造ではシリカを含む珪砂の使用が最も一般的です。

 

シリカに比べ珪砂の融点は低く扱いやすいものの、

不純物を多く含むため生成されるガラスが濁ってしまうことが多々あるのです👀

クリスタルの岩石と見まがうほど美しく透き通った、クリスタッロ✨と呼ばれるこのガラスは、

ベネチアングラス独特のデザインとして発案されました👍🍷🍷

 
しかしながら透き通る無色透明のガラスを生み出すためには困難を強いられました💦
そのため、当時偶然にして生まれた数少ない透明度の高いガラスは、

競合相手の目に触れぬよう隠されさえしていたのです❢❢

 

ガラスに透明度をもたらすためにガラスメーカーたちは奔走し、

最上級の素材を探し求めました👀💦

 
そして度重なる実験の末、元来使用されていた一般的な珪砂に代わって

ティチーノ川、もしくはアディジェ川の川床でのみ採取された”小石”が使用されることとなったのです👍

 

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コゴリと呼ばれるこれらの小石からは、ほとんど不純物のない天然のシリカを抽出することが出来、

まさにムラノのガラスメーカーの理想でした💓💎💎

 

しかしコゴリがガラスの材料として用いられるまでには綿密な調査が繰り返し行われました💦
理想的なクリスタッロ製造のためにムラノのガラスメーカーはそれほどまでに熱意を注いだのです🔥🔥
厳しい審査によって選出されたコゴリは、真っ赤に燃えるまで熱され、そして冷水につけられます。

 

高温で熱してから水で冷却するという工程はは原材料から不純物を取り除くための重要なプロセスです👍
そして不純物を取り除いたコゴリを砕き、丁寧にすりつぶし、ようやくパウダー状の”ガラスの原材料”ができあがります。

 

コゴリが美しいほどに、生まれてくるガラスも美しいため、このような手間を惜しまないのです🍷🍷💦

 

ムラノガラスの化学的な探求👀✨

 

 

その次に重要な材料はフラックス(融剤)です。

 

フラックスはガラスの融点を下げるために機能します。

 

フラックスの働きにより、木をくべて火を燃やす原始的な土でできた窯で

ガラスを溶かすことを可能にしているのです👍
また、フラックスはデコレーション用のエナメルにも効果を発揮します✨

 

エナメルの融点をガラスよりもさらに下げることで、

ガラス形成後のエナメル装飾を実現しています💎
ガラス工房では多種多様なフラックスが使用されてきました。

 

ベネチアンガラスメーカーでは独占貿易によって入手したアリュームカティーノと

呼ばれるレバント地方のソーダ灰が使われていました❢
このソーダ灰は塩性地であるレバント地方に生えるオカヒジキ属の植物を燃やして生成されます🌸
アリュームカティーノはコゴリと同じように綿密な調査によって選ばれ、粒子ほどの細かさまで粉砕されます。

 

それらの粒子は繰り返し煮詰められ、植物に含まれる塩分を抜かれます。

その後水気を含んだアリュームカティーノの粒子は、

浅い平鍋で空気にあてられ、再度結晶化し白塩状のパウダーになるまで乾かされます✨

 

この工程が、ガラスを濁らす原因となる余分な鉄分を排除するための手助けとなるのです👍👍

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そして、さらに鉄分の活動を抑制をするための最後の決め手としてマンガンを加えます。
マンガンは、濁りをもたらす鉄分やその他の不純物を取り除く効能を持つため、

ガラスメーカーにとっての”石鹸”と呼ばれています👏
またマンガンは異なる色味のガラスの生成や、ガラスの溶ける速さや柔軟さの調整にも効果を発揮するため、

ガラスデザインのために欠かせない成分なのです👀✨

 
ベネチアンガラスメーカーはもともと鉄分要素を含まないピエモント産のマンガンのみを使用します❢

マンガンはほんの少しの量で効果を発揮するため、コストを考慮したとしても、

こだわり厳選された材料のみが用いられるのです👍

 

ムラノガラスメイキング💎

全ての素材がそろい、念入りな下ごしらえを経て、いよいよガラス制作にとりかかります!(^^)!🍷
ガラスの出来を左右するこの下ごしらえは素材つくり専門の職人が行います✨
それらの素材に熱を与え、ブロック状に融合するまで窯焼きされます🔥

 

この段階で、ガラスの破片やリサイクルのガラスやエクストラの

マンガンを加えガラスの色調や透明度の調整を行います💎

 

そしてブロック状に固まった素材を再度溶かし、

浮かび上がってくる不純物をさらに取り除きます❢❢👍

 

ガラスそのものを作り出すまでの最終段階であるこの過程を繰り返すことで、

限りなく純粋透明なクリスタッロが生まれるのです😿✨
今でこそ高温で熱するための設備が揃い、これほどの手間をかける必要はなくなりましたが、

原始的なかまどしか持たなかったこの時代には、このようなプロセスが必須だったのです、、😿

 
熱しながら素材を融合するあいだ、透明度をあげるために何度もマンガンが足され、

またかまどの温度をキープするために木をくべ火を燃やし続けました🔥🔥

 

この作業は危険も伴う、大変骨の折れるものでした❢💦
ベネチアンガラスの美しさの基礎であるクリスタッロを作り出したのは、

職人たちのあくなき探求心と努力そのものだったのです💎💎💦

 

 

ムラノガラス工房に訪問✨

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ガラス職人のスキルはガラスとの”遊び”から生まれる?!

 

溶けたガラスは熟練した職人の手作業により膨らまされ、ねじられ、カットされます✂
現代では、丈夫で実用的なものよりも、薄く華奢で美しいガラスウエアが人気ではないでしょうか🍸
クリスタッロの特性を生かしながら華奢なガラス細工を作り出すためには、

奇跡のようなバランスが必要とされるため、熟練の技術が不可欠です❢❢
ムラノの職人の手仕事によって作られたガラスは、見惚れるほどに透き通り、

薄いリム、完璧なシンメトリーを持ち、個性的でありながら洗練されています👀💛💓
美しいガラスを作りだす職人技は、訓練によってのみもたらされるわけではなく、

ムラノのガラス制作を支えているのはやはり”芸術家”たちの腕なのです👍👍💦

 

ムラノガラスの装飾

ガラスの形成が終わると、次にデコレーションが行われます🎨

ムラノの特徴でもあるゴールドの縁取りやエナメルのペインティングは、

ガラス職人たちだけの仕事ではありません❢

 

分業化を確立し、それぞれのエキスパートを持つベネチアのガラス産業組合にはもちろん、

ペインティングを専門とする職人もいます👍
ペインティングに使用されるエナメルも、丹念に練り上げられ、

厳選されたテクスチャと色味を持ちます✨
絵付けされたガラスはその後再びガラス工房へ戻され最後の焼の作業へと入ります🔥

熱を加えることでエナメルがガラスに融合し定着するのです👍💦

 

エナメルはガラスよりも低温で溶けだします。

 

しかし、ガラスは非常に繊細なため、急な温度変化ですぐに壊れてしまうため、

最後の最後で再び細心の注意を注ぐ必要があるのです👀❢💨
それぞれのアートガラスは最後まで入念なプロセスによって出来上がります👍👍👍

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技術×アーティスティックな職人技

ムラノのガラス作品は超一流の手仕事による美しく高品質なだけでなく、

常に時代をとらえ、産業全体として技術の向上をもリードしています✨
しかしその方法はルネッサンス期のその他の芸術分野とは異なり、

外部からの影響を鵜呑みにするのではなく、常に自身で生み出し続けているのです(*_*)✨

 

絵画や彫刻がヘレニズムやビザンチンの影響を受けた当時、

アートガラスはユニークな転機を迎えます👀

 
のちにイギリス製のクリスタルガラスが介入するまで、

ベネチアンガラスのクリスタッロは唯一無二の存在でしたが、

市場にはベネチアンガラスの模造品が溢れるようになり、

それらの登場は元来の高級志向を変え、ムラノガラスの人気を衰えさせることとなったのです、、😿

 
しかし、売り上げが伸び悩んでいるにも関わらずムラノは依然として品質の向上を追求し続け、

その姿勢は今日でも変わることがありません👍👍

 

そして最高峰の地位を確立した現在なお

その技術は革新を続けているのです🍸

 

ムラノガラスのヒストリー、いかがでしたでしょうか❔
少々長い記事にお付き合いいただきありがとうございますm(__)m

やはり、美しいものを作り続け、その地位を築き上げた努力は圧巻でしたね👀✨
歴史を知ることで、皆さまのムラノガラスへの愛着もますます増したのではないかと思います💓
それでは、美しくアーティスティックな伝統を傍らに、素敵な秋をお過ごしください(#^.^#)

 

 

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妹尾 満隆

妹尾 満隆

合同会社SENOO商事の代表をしております妹尾満隆と申します。

ウェブという情報を発信してる人が見えてない中で、いろんな間違った情報がネット上にあるのを度々見かけます。

特にアンティークにおいては

・間違った情報
・信ぴょう性のない情報
・そもそも情報がない

などたくさんの課題がありました。

そこで私は、これまでのお客様との取引の実績、知識、経験、情報を元に正しい情報をウェブを通して発信していくことを会社の方針と掲げました。

ただ物を売る会社ではなく、これまでブラックボックスとされてきてた商品の真贋の見分け方を発信するというのが大切なことではないかと思ったからです。

なぜならアンティーク品の場合は情報量の不足から、買い手側が圧倒的に不利な立場にあったからです。

このアンティークの世界をもっとクリーンで、信頼のおける分野に成長させていく事が私の使命だと思っております。

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